イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第263回
QDII制度導入と株価

6月に入り中国の中国銀行督管理委員会は
QDII制度に関する管理規定が
近く公布される見通しであると発表しました。
QDII制度が行なわれると、
中国の資金が香港市場に入ってきますから、
香港市場に資金が移動し、
香港市場の株価が大きく上昇していきます。

また、香港上場のH株は
本土のA株と同時上場しているものが多くあり
H株の株価が上がっていくことが考えられます。
香港市場はメリットを受けることが考えられます。
では中国本土のB株にはどのような影響を与えるのでしょうか。
QDII制度の導入で外貨による投資先が増えれば、
B株投資からの撤退が増える可能性が大きくなります。
したがって中国株本土市場の株価は
下がっていく可能性がでてきました。
中国本土のB株市場にはメリットはありません。
ですから下がっていくことが普通では考えられます。
QDII制度導入は2002年頃から話題にはなっていましたが
今まで実施時期が発表されませんでしたので
期待だけが先行して
一時期香港株が上昇してきた時期がありました。

中国株式市場は
中国の政策によっても株価が大きく左右されることがあります。
今回がその例でしょう。
ですがアメリカでの金利、利上げ懸念があります。
アメリカの雇用が本格的な回復軌道に入ったことを
アメリカの労働省が発表しています。
雇用が確実に伸びてきたことにより
景気の力強さが確認できたということで
アメリカは利上げをする可能性が大きくなってきています。
米連邦準備理事会(FRB)は
今月末にも金利を引き上げる可能性が大きくなってきました。
アメリカが金利を引き上げるということは
基本的には
株式市場からお金が銀行に戻っていくことでもあります。
また中国の金利利上げ懸念がないわけではありませんので
その影響をどう受けて
株式市場の株価は乱高下するか
今は予断を許さない状況には変わりありません。
短期的には香港株は上昇する可能性が大きくなってきていますが
それがQDII制度の導入まで続くのか、今は不透明な段階です。
またここで中国本土B株が今後大きく下がっていったときには
安く購入できるチャンスが出てくることになります。

QDIIとは
 中国国内の機関投資家が
 海外株式(香港株)への投資を認可する制度、
 香港上場のH株は
 本土のA株と同時上場しているものが多くあります。
 現在は同時上場しているA株の株価が
 H株より高く買われています。
 QDIIが実施されれば株価の安いH株、
 香港市場の企業に資金が移動し、
 香港市場の株価が大きく上昇することが考えられます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年6月10日(木)

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