イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第574回
二つの業種

ひとつの業種に投資したほうがいいのか、
または二つの業種に分散投資をしたほうがいいのか
迷うことがあります。
中国ではひとつの業種だけが伸びていくわけではありませんので
分散投資を考えていく投資方法のほうが
安全性でも高くなっていきます。
このときに業種間でも立場によって
収益の伸びが大きく違っていく場合があります。
たとえば石油関連の業種と電力企業の業種に投資した場合を見ますと
その違いがよくわかります。

2005年下半期に入っても原油先物相場は高い水準で
1バレルあたり60ドル以上の高値をつけています。
原油価格が上昇していることで
油田や天然ガスの探査・開発、採掘と販売を行っている
ペトロチャイナ(コード:0857)の業績は大きく伸びました。
また株価でも順調に上がってきます。
2005年初頭には4香港ドル以下だった株価が
8月に入って7香港ドル以上にまで上がってきています。

逆に原材料価格が上昇して売上げが伸びても
利益につながっていかない業種もあります。
電力企業は原材料の石油や石炭価格が上昇したために
なかなか利益が出ていません。
華能国際電力(コード:0902)の2005年中間期の業績は
売上高で前年同期比45%増と大きく伸びました。
ですが純利益は前年同期比32.3%減と大きく下がっています。
株価でも2005年初頭は5香港ドル台でした。
8月に入った時点の株価も5香港ドル台ですので
株価では2005年初頭と比べてもほとんど同じで動いていません。
ですので、今年の初旬に短期投資を考えるのでしたら
ペトロチャイナに投資すべきだったでしょう。

では今年に入って原油価格が下がってきたなら
業績ではどう動いてきたのでしょうか。
原油価格が下がるということは
ペトロチャイナにとって売り上げが伸びても
利益は減少していくことになりますので
株価でも大きくは上がってこなかったでしょう。
電力企業にとっては原材料価格が下がるということは
収益が膨らむことになりますので、
収益の向上とともに株価でも上がってきたでしょう。
華能国際電力は売上高で45%増と大きく伸びている企業です。
収益の伸びでも45%以上増益になった可能性だってあります。
ですので今度は収益の伸びでは逆の立場になっていきます。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年8月18日(木)

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