中国株で財産をつくろう

イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第782回
不動産企業のROE

不動産事業を展開している企業の収益の伸びを見ていく場合、
短期間でROE(株主資本利益率)数字を見ていくと
間違う場合があります。

不動産を開発していくには、
開発する土地を確保する必要があります。
そのために、銀行から資金を調達したり、
転換社債を発行して
開発するお金を用意する必要が出てくる場合があるでしょう。
また、不動産物件が売却できた時期によっても、
売上高が少なくとも純利益が大きく伸びるときが出てきます。

半年や1年内で開発する土地を確保し、
売却して利益が出る場合もあるでしょうが、
大きなプロジェックトとなれば、
たくさんのお金が必要になり工期も長くなります。
1、2年ではなく、2〜3年、
それ以上かかる場合も出てくるでしょう。
資金調達にしても1回で済まなくて、
何回か調達する必要が出てくるかもしれません。
その間は利益でも伸びていくよりは低迷するかもしれません。
また、流動負債が増えて
負債比率も上昇していく場合も当然考えられます。

EPS(一株あたり純利益)が下がり、
ROE(株主資本利益率)だって
下がっていく場面が出てくるかもしれません。

こんな時期に、一株あたりの純利益が減ったから
投資ができない企業だと決めつけて投資をやめた場合は
どうでしょうか。

その後、開発した物件が順調に販売が伸びたなら
純利益でも伸びていきます。
株価でも上がっていくでしょうから、
半年や1年内で利益が減ったから投資ができないと
決めつけるわけにはいきません。

お米を作るときだって、まずは田起こしをして土壌をならし
田植えをして、成長していくのを見守りながら最後に収穫します。

不動産事業でも同じです。
まずは開発できる土地を手に入れ、開発後に物件を販売し、
収益を上げていきます。

各事業によっては、投資がすぐに利益に結びつく業種もあります。

そうでない場合は、投資した、あるいは投資を考えている企業が
現在田植えの時期なのか、収穫時期なのか、
判断して投資していかなければいけません。

収穫時期が終わったとしてもそれでもう終わりではありません。
収穫する前には、次の収穫を考えて
種もみなどを準備しておかなくてはいけません。
場合によったら品種改良を考え、
来年は収穫量が大幅に伸びていくかもしれません。

不動産企業に投資していくときでも、
今の収益だけの伸びを見ていくのではなく、
次の収益につながっていくような物件開発、
事業展開を行っていくのかどうか見ていく必要があります。

それによって、
来年の稲作の収穫量が飛躍的に伸びていくかもしれません。
不動産企業でも
収穫量を伸ばしていけるような会社に投資をしていけば
利益も伸びていくでしょう。

中国株・株式投資 小泉 鉄造


当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2006年6月5日(月)

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