前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第45回
巡回手相見

インドのシーク教徒のような
ターバンをした若い男が店にやって来て、
「私は手相を見る」と言ったそうです。
こちらが「いらない」と言っても言葉を繋いで、
何とか手相に誘導しようとします。
それでもいらないと言うと、プリントをしているムリエルを指して
「あの子はどうだ」としつこいのです。
それに構わず「いらん、いらん」と言うと、
他の客が貯まってきたところで
「何っちゅうサービスの悪い店だ。バッド・ラック!」
と、捨て台詞を残して出て行ったそうです。

店には数年前に同じ様な手相見に引っかかった人がいました。
今回の人とは別人ですが、
やっぱりターバンを巻いていたそうです。
ごく自然な導入部があって、
何げない話から手相を見てもらう羽目になり、
最後に6千円程を強奪するそうで
ヨーロッパ中を回っているようです。
フランス人のムリエルは、
昔一度だけで手相を見てもらったことがあると言い出しました。
その時の手相見はムリエルの手を見て、
そのまま一言も発せずに黙ってしまったそうです。
それ以来怖くて手相を見てもらったことがないそうです。
「それは始めたばかりの手相見だよ。
ムリエルの手のパターンはまだ習っていなかったんだよ」
と私は笑い話にしようとしましたが、
たちの悪い芸はいけません。

我々の隣に住んでるデンマークの夫婦は
「悪い答えが出てきたら嫌だから占いはしてもらわない」
と言っています。
ムリエルの手を見ると生命線とやらが数本に千切れています。
日本と手相の見方と同じで、
そういうのは短命だとか何か不吉なのかもしれません。
お化けとか星占いとかヨーロッパでもまだ活躍しているようです。

カンボジア人のチュンは恐ろしそうに、
死んだ自分達のお爺さんやお婆さんが
お化けになって出てくると言います。
「でもお爺さんやお婆さんなら、チュンに悪い事はしないだろう?」
と聞くと、それには答えず
「日本にはお化けはいないのか」と尋ねました。
「昔はたくさんいたらしいが、今はあまり聞かない」
と私は答えました。


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2004年9月17日(金)

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