前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第67回
ルーブルは急いで、レストランはゆっくりと

今までの旅行とはまったく違ってレストランで食事をして、
しかもそれが第一の目的の旅行です。
1週間ミシュランの本の様々なランクを食べてみました。
仔牛の腎臓や胸腺など初めて食べる物を主に選びました。
パリのレストランのフルコースはどこでも量が多くて、
デザートのお菓子やチーズまでたどり着くのは大変でした。
そこで、昼間はお腹をすかせるために軽く食べ、
いつもの様に街を見ながら疲れるまで歩き回りました。
徒歩でたどり着いたルーブルや近代美術館も早足で廻りました。
妻が好きなので付き合いますが、
ルーブルはたくさん並んでいても
私の見たいものはそんなに無いのです。
横目で眺めて通り抜けようとしても、
輝きがあってどうしても目が留まってしまう絵が有ります。
そんな時にはたいてい有名な画家の名前が付いていました。

ヴィバロアでは「愛想も何もない」という
「食指が動く」の情報とは違って、
マダムが私達のテーブルに来てお話をしてくれました。
放っておいてもお店がお客さんで満員になる、
という往年の盛況がなくなったからかと思いました。
評価はミシュランの最高の三つ星から二つ星に落ちていました。
マダムと話した後で料理の注文をして、
ワインは「軽くない赤」と頼むと
マダムは4つぐらい名前をあげてくれました。
美味しかったらいつか又注文できるようにと、
私に覚えやすい名前のタルボーの86年を選びました。
1万円ぐらいでした。
味の濃い辛口で、私の好みにはピッタリの味で喜びました。
玉ねぎのたくさん入っているタルトや、
ニンジン色をした軽い前菜のあと、
情報通りの牡蠣やカボチャの珍しい料理が出てきました。
メインは私達の大好きな子羊ですが、
このソースがまた抜群に美味しいのです。
最後のデザートのスフレだけは、
あまり出来がよくありませんでした。

この旅行では私達はとにかく毎日たくさん食べましたが、
フランス人のお客さんはもっと食べていました。
ビストロのようなところでも、
近くのテーブルのおばあさんのグループが、
私達よりも多い料理を全部たいらげていました。
食いしん坊の妻は「あんなに食べられるようになりたいなあ」と
申しました。
初めて食べるパリのレストランは
安くて美味しい店もたくさん有りました。
この旅行で私達の好みは、
ミシュランのガイドが選ぶお店の味にかなり近いのを知りました。


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2004年10月19日(火)

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