前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第137回
住は丹麦にあり・2

コペンハーゲンの一軒家は、
敷地の広さは750平米以上ということになっています。
駐車場や物置を含めた建物の広さは、土地の25%が上限です。
現在1軒家の暖房費の平均は、
重油にして1平米あたり14リットルの消費になります。
新築の家は平方あたり7、5リットル以下の基準を、
クリアーしなければなりません。
デンマークには質が良くて安い羽根布団がありますが、
私達が家で羽根布団を使うと暑くてよく眠れません。
結局真冬の数週間使うだけになります。
これを日本に持っていったら、
一番厚い羽根布団でも東京、神戸、岡山で“寒い”と言われました。
日本に輸出する布団を扱っている店では、
特注で極厚を売っています。

このように、
デンマークの家は熱効率が良くて省エネ型なのですが、
政府はまだまだ改良すべきだとして、法律を改正するそうです。
数年毎に燃費率を上げていって、
2015年には年間の平米あたりの消費量を
3リットルにしようとしています。
100平米の家だと現在1400リットルの燃費なのを、
新築では300リットルにしていく構想です。
重油が1リットル200円とすると、
冬の気温が日本の東北あたりの土地で、
1年間の暖房費はたったの6万円ですね。
暖房のエネルギーが限りなくゼロに近づいていきます。
車検のように検査して、10年毎にシールを張り替えるそうです。
断熱材の厚さや2重3重窓の質の向上や、
地域暖房システムの改良なども、省エネするには重要です。

“多湿な日本では気密の家は壁に黴が生えるのではないか?”
と、疑問視された方がいらっしゃいましたが、
断熱と換気機構をしっかりした気密の家は、壁はかびません。 
断熱材が足りて、仕事に手抜きが無ければ大丈夫なようです。
窓枠がアルミではどうしようもありませんが、
2重、3重ガラスの木の枠なら窓枠もガラスも結露しません。
私達が北欧のキットの家を建てた長野の土地は、
裏の傾斜地では茸の栽培をしているほど常に湿気が多い所です。
その友人の土地を見に行くと、
裏の傾斜地にはせせらぎが流れて、
土はいつも靴が沈むほど湿っていました。
“こんな所で大丈夫かなあ”と、少し心配しましたが、
築13年になった家には、どこにも黴が生えたことは無いそうです。


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2005年1月24日(月)

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