前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第167
北朝鮮・2300万人の人質

私がデンマークに来た頃は、
デンマークでもマスコミと若者の間では、
共産主義の中国と一緒に北朝鮮も人気がありました。
私は日本で
「貧しきを憂えず、等しからざるを憂う」
と毛さんか誰かが言っていたのを読んだことがありましたが、
実態は
「金持ちがいると妬ましいが、皆が貧しいなら我慢できる」
だったのかもしれません。
その、清く貧しく等しいはずの北朝鮮について、
先日のデンマークの新聞はこう書いていました。

―北朝鮮の金正日は、
ブッシュの「北朝鮮は悪漢国家」呼ばわりを
絶対に我慢できない独裁者なのです。
そこで、正日は「核爆弾を持ってるぞ!」と、世界を脅しました―

デンマークの新聞は、これを対外国用の爆弾とは見ていなくて
「攻めてきたら、北朝鮮で使うぞ」という脅しだ、と見ています。
それがタイトルの「2300万人の人質」の新聞の意味です。

―長期にわたる圧政にもかかわらず、
プロパガンダは効果をあげていて、
正日は北朝鮮では「インテリで心の暖かい人」です―

サダム・フセインがイラクで権力を持っていた頃のようですね。

―100万人が餓死したと推測される90年代には、
100億円単位のお金を使って、
自分の記念碑を建てても平気な人でした。
このリーダーは、高級品が大好きなことでも知られていて、
特にコニャックと女性が大好物です。
そのほかには映画が大好きで、
お気に入りの韓国の監督と、彼の友人の女性を誘拐しました。
北朝鮮の映画を撮らせようとしたのだそうです。
それでも、中国経済の奇跡を目のあたりにして、
金正日は計画経済には未来がないことに気が付いているそうです。
しかし、洗脳と個人主義の圧殺で作った
自分のシステムに捕えられて、
金正日自身が、身動きが出来なくなっています―

今更「今までは間違いました、ホホホ」と言っても、
すっかり洗脳されている幹部に、皮肉にも足を引っ張られる・・・。
ということで

―今のところ、正日本人の改革への微かな意思だけが、
北朝鮮の人々を救う希望のようです。
なぜなら、今のところ北朝鮮では、
金正日を見捨てようという動きはまったく見られないからです―

と、新聞は結んであります。

外国に対する礼儀と敬意の払い過ぎか、甘いような気がします。
「反対勢力も無く、体制に反対する人もいない」
ということですが、
怖いから表面上は反対しないという人は、多くても分らないです。
日本人と韓国人の拉致の話はここには載っていませんでした。


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2005年3月7日(月)

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