前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第176回
パスタ・アラ・ノルマ

シシリアのチェファルーの町の崖に登り、見下ろすと、
ほとんど三方は濃い青い色に取り囲まれています。
紺碧の海岸で、見ていると気が遠くなりそうです。

崖から、降りてきて、
映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の
広場のすぐ傍のレストランに入りました。
デンマークのガイドブックのお勧めの店でした。
デンマークの新聞、雑誌のグルメ案内は大外れが多いのですが、
このガイドブックは信用できるのです。
以前モナコで、探し出すのが非常に難しくて、歩き回って、
やっと見つけたレストランの料理は美味しかったです。
特に、甲殻類や雲丹の濃い味のするスープは、
私達はこれと並ぶスープはどこでも味わったことがないくらいです。
自分の舌にあった味のガイドブックを見つけると、大変有益です。

ウェイターが、なぜかよそよそしいところが、
イタリア風ではなかったけれど
“ここで食べる”と決めていたので席に着きました。
旅行案内書に載っていた幾つかのお勧めと一緒に、
パスタ・アラ・ノルマ(Norma)を注文しました。
普通のスパゲティでしたが、
トマトソースに揚げ茄子と
ペコリーニ・チーズがたくさん入って美味しいのです。
私達が今までに食べたスパゲティの中では最高の部類に入ります。
パン、パスタなど、普段食べる物が美味しいと嬉しくなります。
オリーブオイルとチーズとナスが大好物な人にはお勧めです。
それに、絞りかすのように軽いハウスワインを口に含んで、
ゆったりとしているといい気持ちです。
妻は「こんなワインを飲んでいると、
いかにも南の国に来たって感じがする」と言います。
こんなに美味しくて安いのに、なぜか先客は1組しかいなくて、
それもすぐに支払いを済まして出て行きました。
後で知りましたが、私達は「あと数分で閉める」という
午後の休みの直前に店に入ったのでした。
それでウェイターはソワソワしていたのです。

このスパゲティー・ノルマが食べたくて、
別の日にもう一度食べに来ましたが、
前回程の味ではありませんでした。
1回目は閉める直前だったのでソースは残り物で、
旨みが濃縮されて美味しかったのかもしれない、と思いました。
家に帰ってから真似をして作ったら、
それなりには美味しかったので、
家のスパゲッティーのレパートリーが増えました。


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2005年3月18日(金)

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