前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第180回
北朝鮮の麻薬販売

私が友人宅を訪ねて大使館の多い区域に近づくと、
マンションの入り口で何事か話し合う
4、5人の男達が目に入りました。
見ると東洋人で、周囲に殺伐とした雰囲気を漂わせた、
ゾクッとするような陰惨な目つきで、
近くを通る人を睨んでいました。
それが北朝鮮の外交官の1団でした。
その頃、コペンハーゲンの空港の税関で、
何度か北朝鮮の外交官が麻薬を密輸しようとして捕まっていました。
そういう状況も影響してあの顔になったのでしょう。

北朝鮮の金正男は偽パスポートを日本の税関で咎められて
「ディズニーランドに行きたかった」と語った、
と日本の新聞で読みました。
正男君は日本だけでなく、
フランスのディズニーランドも「訪れたい」と申請したそうですが、
フランス政府に断わられたそうです。
金正男の日本での話を読んで「遊園地に行きたい」という、
可愛らしい響きと裏腹な
“無邪気な動機ではない”ものを私は感じました。
ただし、直感的に確信などというものが生じても、
その確信が正解ということではありませんので、
そのまま信じない方がいいです。

多分私は、
フランスのディズニーランドが麻薬のメッカであったことと、
テレビで見た麻薬の運び屋の話を繋げたのだと思います。
イギリスのテレビドキュメントで、
ニコニコした日本人の麻薬の運び屋の番組がありました。
その運び屋の話では、ボーイスカウトの格好をしていると、
どこの税関でも笑顔で迎えられ、
いつでもフリーパスだったそうです。
彼はその運び屋の報酬の一部を、
イギリスの不幸な子供の施設に何度も寄付して、
自らからも何度も見舞いに通ったそうです。
施設の人達はこの優しい若者を、まったく疑っていませんでした。
捕まって刑務所に入れられると、
彼は嬉々として各国のボーイスカウトのワッペンを並べて、
楽しんでいました。
エキスパートは「理想的な運び屋だ」と、解説していました。
ボーイスカウトの趣味は、カモフラージュではなくて本物だから、
ボロが出難いということらしいです。
金正男のディズニーランド好きが本物なら、
理想の麻薬取引屋ではあります。

昔はイギリスなども国を挙げて、
中国への麻薬貿易をサポートしたことがありました。
ですから、麻薬の国策としての売買は、
北朝鮮政府の独創ではありませんが、
イギリスよりもっと直接的に係わっているようです。


←前回記事へ

2005年3月24日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ