前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第196回
デンマークと中国の勝利

アメリカで活躍している、
デンマークのGNネットコムという会社の社長の話です。
主に電話のコミュニケーションが主体で、
ほとんど輸出のみで、世界中と取引しています。
カリフォルニアと東海岸に主な仕事場がありましたが、
今回開発部をデンマークに開拓することに決定しました。

生産拠点は、すでに2001年から、
アメリカとイギリスの工場を潰して、中国に移してあります。
GNネットコムは、まず東欧のウクライナに生産工場を移しました。
トラックで運ぶにしろ、会議をするにしろ、なにしろ近いのです。
しかし、問題ばかりが多くて、閉口したそうです。
中国も問題は多かったのですが、
東欧と違って改善していったのだそうです。
今では、仕事のモラルは東欧よりも、
中国の工場の方が遥かに良いそうです。
とにかく彼は、経験を基にして、
生産基地としては東欧より中国を強く勧めるそうです。

開発部門をデンマークに移した理由は、
まず、エンジニアの給料がアメリカの半分ぐらいだからだそうです。
デンマーク人自身の開発能力も優れています。
そして、デンマーク人は共同で仕事をするやり方が上手なので、
高学歴の外国人には魅力があるそうです。
外国の優秀な人が集まりやすく、
オープンマインドで仕事がやりやすいので、
定着してくれるのですね。
確かに、私の妻の働いていたノキアも、
世界中の携帯電話の開発部を潰して、デンマークに絞りました。
世界中から、若い優秀な人が集まってきています。

世界のビジネスはグローバル化していますが
「デンマークは仕事が増えるから、恐れる必要はない」
とGNネットコムの社長は言います。
そして「デンマークと中国はトータルで勝者となるでしょう」と、
この若い社長は、読者へのサービスのような言葉で結んでいます。
新聞記者の創った、デンマークの手前味噌記事かもしれませんが、
当たっているところも有るかもしれません。
日本の多くの会社も、同じような戦略でやっていると思います。
しかし、外国の優秀な人を受け入れる環境には、
改善の余地がありますか?


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2005年4月15日(金)

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