前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第228回
中国人の欧州蒸発旅行

この頃コペンハーゲンの町では、よく中国語を耳にします。
5人、10人と連れ立って街を歩き、
着いたばかりのような人が多いのが目立ちます。

デンマークは英国、アイルランドと同時に、
昨年の9月から中国人団体の観光客を受け入るようにしたそうです。
それが中国人が急に増えた理由でした。
今までは、欧州の企業からの招待状がないと、
入国を許されませんでした。
ところが、招待した会社に現れず、
そのまま消えてしまう人がいました。
今回、団体客を許可したら、中国から観光に出て、
そのまま帰らない人がたくさんいるとかで、問題になっています。
デンマークなどが観光客を受け入始めたこの半年で、
500人から700人の中国人旅行者が蒸発しました。
台湾の観光客を認めた時も、
2、3年の間、同じ現象が起きたそうです。
韓国も5年位前まで同じ問題があった、と新聞にあります。
それで「まあ、初めのうちだけか?」との見方もあるようですが、
中国は広いので、「終る」のに時間がかかるかもしれませんね。
蒸発には旅行会社が絡んでいるとのことで、
在中国の欧州各国の大使館が、
共同で作ったブラックリストがあるそうです。
中国の旅行会社59社のうち、30社がそこに載っているそうです。

同じ昨年の11月、チェコのデンマーク大使館で、
176枚のビザのシールが盗まれました。
同時に50通以上の滞在許可証と、パスポートも盗まれました。
それだけではありません。
これらの書類は、大量にコピーされて、
インターネットで中国で売られたのでした。
中国のギャング団「蛇頭」の仕業と見られているます。
コペンハーゲンの飛行場で、質の悪い偽のビザを発見されて、
何人かの中国人が送り返されました。
上海でも出国の時に偽のデンマークビザが見破られて、
飛行場で捕まっているそうです。
背広とアタッシュケースが新品だと怪しいそうです。

街で見かける中国人は、観光客らしい人も多いですが、
学生のような年齢の若い人が、大変多くて目立ちます。
そこで私は”中国も豊かになったなあ”と思っていましたが、
それだけではなかったのでした。
これがコペンハーゲンで、急に沢山の中国人を見かけるようになった
もうひとつの理由のようです。


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2005年5月31日(火)

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