前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第231回
カモメ旨いか酸っぱいか

港街コペンハーゲンで1番多く見かける鳥はカモメです。
街から少しはずれると、畑が始まりますが、
耕運機が畑を耕すのを見ると、
後を追って土を突ついているのはカモメなのです。
「ゴンベが種撒きゃ、カモメがほじくる」のです。
通勤の途中でも、必ず大きなやつに出会いますが、
近くで見ると、カモメはきつい目付きをしています。

ユトランド半島には、カモメのコロニーがあるそうです。
今では知りませんが、戦後、貧乏だった子供が、
カモメの卵を獲るアルバイトをしていたそうです。
巣はたくさんあるので、簡単に集まるように思いますが、
カモメは子供にとってはかなり大きな鳥です。
卵を産んだばかりのところで、
カモメを追っ払って採集するわけですが、
なかなか簡単ではありません。
巣に卵を獲りに行って、頭を突っつかれたりして大変なのです。
あるパン屋に言わせると
「カモメの卵はパンに混ぜると、鶏の卵と勝るとも劣らない」
そうです。
その時代にカモメを食べた人の話では、
臭いので、乳酸菌のよく発酵したミルクに数日間浸けたそうです。
それから料理すると、野うさぎのような味になるということです。
それでもやっぱりまずいのか、カモメは店で売っていません。
カモメの卵なら魚屋で売っていますが。

日本レストランを開いている私の友人は、
鶏卵の代わりにカモメの生卵をすきやきに試してみました。
彼は
「生のカモメの卵はどうにもこうにも臭くて、
まったく使い物にならないですね」
と言っていました。
あんな臭いものをよく試す気になれました。
私達はゆで卵にしたことがありますが、それでも臭いのでした。

野生動物も魚屋で売っていて、
秋には野うさぎや、鹿や、雉、猪が店頭を飾ります。
雉は野生のものたくさんいるようで、
鶏のような声を上げて、林檎畑の下を走り回っています。
野生ではないですが、
ユトランドではダチョウを養殖している人がいて、
コペンハーゲンのスーパーで肉が売られています。
「ダチョウの雛がこんなにフワフワで可愛いとは知らなかった」
とのことです。
レストランの出てくる野生動物は、主に鹿と鴨です。


←前回記事へ

2005年6月3日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ