前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第263回
仕事が無くなったら、どうしたらよいのでしょうか

デンマークのマスメディアは、生産工場を海外に移す話、
特に中国、東欧に移す会社の話題が非常に多くなりました。
ところが、それでも今のところは、
生産の40%以上を海外に置いているという会社は、
2%にも満たないそうです。
失業者が多く出るので、
工場の海外移転のニュースは目立ちますが、
まだまだその程度です。
これが3年以内に7.5%になると予想され、
そのうちに、デンマークの会社の製品の、
40%が海外工場で作れるだろうとのことです。

EUでは農業や工場労働者などの失業者の潰しが利かないので、
デンマークなど北欧のシステムに学ぼうという動きがあります。
会社がクビを切りやすい環境は、失業者が困らない環境です。
給料も下がらずに次の仕事が見つかり、
見つかるまでの経済的な心配が無い社会では、
転職が摩擦無く行なわれるということです。
しかし、もっと深刻なのは、
失われていく生産業以外の仕事が充分に増えるかどうかです。
頭脳労働者がその他の部門を背負って立つのですが、
研究開発やデザインで付加価値をつける仕事など、
色々考えられます。
ところが現在は、研究や開発部門さえ、
海外に出て行くということで問題になっています。
移住していっても、そこで栄えればいいようなものですが、
残った国民や政治家はそうも言ってられません。
米国は豊かな資金と、外国人の働きやすい環境で、
世界中の優秀な頭脳を集めてきました。
この次は、豊かな未来を約束された発展途上国も、
掻き集め競争に加わりそうです。

頭脳流出の他には、
現在充分に能力を引き出していない人々がいることを、
デンマークでは問題にしています。
それが高学歴の女性と外国人です。
特に、女性の高学歴者は多く、
大学では生徒の半数以上が女性なのですが、
博士の数は10分の1だそうです。
デンマークは
「出産の為にキャリアを途中で抜けることを考慮して、
労働環境の整理をする」
など、途中で辞める女性を掴むことを検討しています。
中間と下のレベルの仕事には優秀な女性が多いのですが。
女性の仕事の質のレベルアップを図りたいのです。
迂遠なようですが、これが出来れば、
相当な数の頭脳集団が出現することになります。


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2005年7月19日(火)

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