お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第99回
いつも懐のさびしい人は、性格までさびしくなる

「ボロは着てても心は錦」と言いますが、
お金のない生活でも十分満足できるというのは、
学者とか、芸術家とか、ほんのひと握りの人間だけでしょう。
中には、赤貧洗うがごとしといった生活を送りながら、
立派な業績を残した人もいます。
それはその人の心のよりどころが、
お金ではなく学問とか芸術だからこそできる話です。

何年間か、私が援助していた若手造形家がいるんですが、
渡したお金を全額材料費につぎ込んでいました。
食う物も食わず作品に没頭し、
とうとう体をこわして略血をして、三十九歳で死んでしまいました。
そんな貧乏生活に甘んずることができたのも、
作品をつくることに無上の喜びがあったからです。

金銭的な欲望が最優先するふつうの人間には、
こんな生活は無理でしょう。
人間は、お金がないと思考力が鈍り、
仕事に対するエネルギーもなくなってきます。
長いあいだ貧しい生活をしていると人間性まで貧しくなってしまうんです。
バルザックの作品の中に、こんなセリフがあります。
「あなたのポケットにあるお金を私に見せてください。
そうしたら、あなたの思想を当ててみせましょう」
人間は、懐がさびしくなると、
さびしくなったぶんだけ知恵がなくなるし、
豊かになって余裕ができると、
考えることにも冴えが出てくることを、
バルザックは指摘しているのです。

私の知っている料理屋のオーナーは、
東京でも腕利きとの評価を得ていた人で、
たしかにうまい料理を食べさせてくれたのですが、
店の経営が思わしくなく、金繰りに追われるようになると、
とたんに料理の味がガタ落ちになってしまいました。
懐具合は精神状態に影響するし、
精神状態はてきめんに料理の味に影響するものです。

サラリーマン生活をしていると、
自分の思いどおりにすべての仕事がうまく運ぶ人はまずありません。
上司と衝突することもよくあることだし、
自分の意見が受け入れられないということもよくあります。
そういうときに、喧嘩して会社をやめるような人は、
もちろん性格的な欠陥もありますが、
心にゆとりがない場合が多いようです。
お金に余裕があって、いつでも会社をやめられると思っている人は、
それだけ心にも余裕がありますから、
喧嘩になるようなことはまずありません。
そういう意味でも、懐に余裕を持つことはたいせつなことだと思います。





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2016年3月25日(金

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