整理される運命業種

同じようなことが、物を売る分野にも起こってくる。
よく新聞や雑誌で、経営コンサルタントの先生が商店の診断をしている記事にぶつかるが、経営診断を受けている店に、衣料品屋さんが多い。地方都市で長年、衣料品屋をやってきたが、最近、めっきり売上げが減ってきた。どうすれば、失地恢復できるだろうか、という質問に対して、先生のほうは、
(一)商品構成を変える、(二)商品のレイアウトを変える、(三)宣伝広告の方法を変える、といった指導をする。
その内容は指導する人によって必ずしも同じでなく、たとえば、レイアウトを変えるといっても、デパートのようにせよとか、東京の専門店のようにせよとか、垢抜けした方法をすすめるとは限らない。むしろ、商品の上にまた商品を重ねるとか、天井から釣るとか、ゴチャゴチャした感じのほうがお客に安心感をあたえるから、客が入りやすくなる、と説明している人もある。その結果、売上げが五〇%もふえ、店主は有難がっていると書かれていたりするが、私はああした記事を読むたびに、本当かな、と首をかしげたくなる。どうしてかというと、衣料品屋が一番たくさん登場するということは、とりもなおさず衣料品屋に一番間題のある店が多いということであって、構造変化によって整理される運命にあるのに、そんなに簡単に立ち直るだろうかと考えてしまうからである。

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