第13回
卵を生ませなければ卵は食べられない

老齢化社会になってもならなくとも、
経済が発展して生活のレベルがあがると、
人はお金に関心を持つようになります。
さしあたりいい生活がしたいし、
1ぺん、恵まれた生活をするようになると、
それを維持したいと思うようになるからです。
その上、老齢化がすすむと、
退職して収入は減るし、
いつまで元気でおられるか不安になりますから、
お金への執着はますます強くなります。

老人がふえると、ヤング・マーケットよりも
老人マーケットが大産業になると言われていますが、
それは間違いないとしても、
ヤングとオールドでは
嗜好も趣味も関心の対象も違います。
たとえば若い人は欲しい物がたくさんあるのに
お金がありません。
その代わりに時間がありあまって
もてあましています。
だからお金が欲しいのは、
物を買うためと遊ぶためです。
社会を活性化しようと思えば、
若い人にお金がまわるようにすればよいのです。

でも若い人の数はだんだん減ります。
お金がない上にお金を使う人が減るのですから、
どうしたって景気は悪くなります。
それに対して年寄りはお金に執着しますが、
お金は使いませんから、
老人をあてに物を売ろうとしても商売になりません。
老人が興味を持っていることは、
お金をふやすことと
自分が病気にならないようにすることです。
だから老人マーケットとは要約すれば、
お金をふやすビジネスと健康産業です。
老人はどんな金持ちの人でも
お金の生んだ卵は食べるけれど、
卵を生む鶏は、たとえ自分が殺されても、
食べてしまうようなことは致しません。

だから老人たちにお金を使わせようと思えば、
卵が生まれる環境を
つくってあげなければいけません。
老人たちの卵は金利か、株の儲けのどちらかです。
金利をタダのような低さに抑え込んでおいて
お金を使えと言っても無理ですよね。
どうして日本の景気が立ちなおれないのか
おわかりになるでしょう。





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