中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第1619回
私はいつも陽の当る側の窓をひらきます

12年前、私が文藝春秋に
「日本脱出のすすめ」という一文を書いて、
日本の住居を引き払って
香港に居を移したのは、
そうすることが私に多くの情報をもたらし、
私にいままでになかった
新しいチャンスをもたらしてくれると
信じたからでした。

経済評論家の大半の人たちは
1997年を境いとして
香港が中華人民共和国の傘下に入れば、
香港はゴーストタウンになるだろうと予想し
公言もしていました。
それに対して私だけが一人で、
「香港が大陸の中に埋没して消えてなくなるのではありません。
大陸の香港化が起って香港を見習うようになるのです」
と主張したのは
殊更に異説を唱えたかったからではありません。
文明は高い方に同化されるのは
人類の歴史が証明してきた通りです。
現に大陸で社会主義計画経済が
行き詰まるところまで来ているとすれば、
暗い電球の下で暮らしている人たちが
不夜城のように明るい香港にあこがれ、
これに見習うことは充分に考えられることです。

もし大陸の人が
香港に見習うようになれば
香港の株も不動産も駄目になるどころか、
逆に高くなります。
そう考えて私は
香港のマンション投資に全力をあげましたが、
まさか大陸資本が香港にまで大挙して進出してきて、
返還前の香港の不動産を
5倍にも7倍にも押し上げるとは
予想もしていませんでした。
選りに選んでそういう時だけ
私の関心が香港に向い、
自分の住むところまで香港に移す気を起したのは
不思議といえば不思議なことです。

私が居を香港に移したことがまた
私の中国大陸を見る目に大きな変化をもたらしました。
香港の眞似をしてつくられた
人口4万の深市が
香港より大きな人口700万の町になって行くスピードの早さが
また私に中国の変化と
それが何を意味するかを教えてくれました。
そうした現実を自分の目で見ていなければ、
あるいは私も
中国滅亡論者たちの尻馬に乗っていたかも知れません。
そうした現地に立って物を見る習慣が
私を香港から上海に
引越しさせるきっかけにもなっているのです。






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■邱 永漢 (きゅう・えいかん)
1924年台湾・台南市生まれ。1945年東京大学経済学部卒業。小説『香港』にて第34回直木賞受賞。以来、作家・経済評論家、経営コンサルタントとして幅広く活動。最期まで年間120回飛行機に乗って、東京・台北・北京・上海・成都を飛び回る超多忙な日々を送った。著書は『食は広州に在り』『中国人の思想構造』(共に中央公論新社)をはじめ、約400冊にのぼる。(詳しくは、Qさんライブラリーへ


中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」

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