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         第18回 
          ダウ平均なんか気にするな 
         毎日の相場が終わると、 
          テレビが今日の終値はいくらという報道をします。 
          翌日の新聞にもダウ平均のほか、 
          出来高や取引金額も掲載されています。 
           
          株をやる人にとってダウ平均は 
          売りや買いの1つの目安になりますが、 
          プロにとっては出来高や取引金額の方が 
          むしろ気になるところです。 
          たとえば、出来高が1日5億株あれば、 
          証券会社は手数料収入だけで、 
          従業員に最高のボーナスを払った上に、 
          最高の利益を計上することができます。 
          昨99年下半期から手数料の自由化が 
          実行に移されたので、手数料収入は 
          20%から30%減ったと言われていますが、 
          取引高は逆に激増して、少い日で5億株、 
          多い日は十億株以上というのが 
          珍しくなくなりました。 
          おかげで証券会社はバブルの頂点の時よりも 
          もっとブームに湧いています。 
          私がこのページで証券会社の株をすすめたのも、 
          私がダウより出来高に注目しているからです。 
          3月に入ってから1日の取引金額が 
          2兆円を超える日があって、 
          ダウが最高をつけた10年前と横並びになりました。 
          この趨勢が示している通り、 
          日本では株価が日増しに高くなって、 
          株高が景気を押し上げるところまで来ていますね。 
           
          しかし、ダウ平均が新高値をつけるようになっても、 
          自分の持ち株はさっぱり上がらない 
          という人は多いでしょう。上がらないどころか、 
          新安値をつけている銘柄が300にものぼっています。 
          それも無名の斜陽産業だけでなくて、 
          日本を代表する大企業が 
          何百億円、何千億円という赤字を 
          出しているのですから、 
          日本の国の経済構造が変わって 
          新旧の入れ替えがはじまっている 
          何よりの証拠です。 
           
          こういう時のダウ平均はあまりあてになりません。 
          株式市場の動きを正確に反映していません。 
          ダウが上がっても自分の株は下がったのでは 
          何の役にも立たないし、むしろダウは下がっても 
          自分の持ち株が上がってくれればいいのです。 
          そういう株を探すのが変革期の正しい株の買い方です。  
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