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         第36回 
          贈与税払って大きな顔をしよう 
         私が子供の名前で株を買って税務署に咎められた時、 
          自分の名義に戻す代わりに、 
          贈与税を払ったのにはわけがあります。 
          税務署に頭なんか下げたくない 
          という意地もありましたが、 
          どうせ将来、子供にあげる積りなら、 
          少々贈与税を払っても、子供の名前の元手をつくって、 
          それを運用して大きくした方が 
          自分の名前で大きな額にしてから 
          高い遺産税を払うよりましだと思ったからです。 
           
          年60万円ずつ無税で子供に贈与するよりも、 
          たとえば年に100万円贈与すれば、 
          免税額を超えた40万円に 
          10%税金がかかります。 
          4万円払うと税務署が領収書をくれるので、 
          それを大事に保存しておけば、 
          将来、子供名義の株がふえても、 
          あの時、贈与税を払ったお金が増えたのです 
          と領収書を出して見せれば、 
          「あ、そうでしたか」で話は終わってしまいます。 
          昭和何年に60万円贈与しました。 
          平成何年に60万円贈与しましたと、 
          いちいち古い郵便貯金帖を出して見せるよりも 
          ずっと役に立つのです。 
           
          税金を払うのはもったいないと思って、 
          税金を1円も払わないより、 
          家を一歩外へ出ても政府のつくった道を 
          歩かせてもらっているのですから、 
          少々でも税金を払っておいた方が 
          気がすむのじゃないでしょうか。 
          しかも税務署が贈与税を払った証人に 
          なってくれるのですから、 
          こんな力強い話ありません。 
           
          私がこのことを私の「ゼイキン報告」に書くと、 
          税金の専門家の先生方が 
          なるほどと頷いてくれました。 
          以後その人たちの書いた本を見ると、 
          「61万円贈与して、1万円の10%の千円 
          税金を払っておけば、税務署が領収書をくれます」 
          と書きなおしてありました。 
           
          税金は払うまいと思うな、思えば負けよ、 
          という私の思想に専門家の人たちも 
          賛成してくれたんですね。 
          それにしても、何てケチなんでしょうね。 
          私は100万円贈与して4万円払えと言ったのに、 
          税理士の先生方は1000円ですませるように 
          すすめているんですから。 
          みんながあんなにケチったら 
          政府だってやって行けなくなりますよねえ。  
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