第50回
邱友会をはじめてはや21年

1時間3万円の相談料をもらっても、
私にとっては引き合わない相談業でした。
でも私は辛抱強く続けました。
学校の先生と同じように、
人に教えることは人に教えられることですから、
勉強をしながら、授業料をもらうのは有難いことです。
何よりも、自分が知らない世界の人から、
その人の職業にまつわる苦労話をきかされたり、
企業の秘密をうちあけられたりするのは
とても勉強になることでした。

でもなかには私にとって何の新鮮さも感じられない
単なる時間の無駄遣いにすぎないという相談も
少なくありませんでした。
私にとっては貴重な1時間をただ1時間分、
お金を払ったというだけの理由で
空費されるのはとてもガマンのならないことでした。
そういう時は、お支払いいただいたお金は
お返し致しますから、お引きとりいただけませんかと
言いたくなる衝動に駆られました。
でもまさか遠くからわざわざ来てくれた人に
そんな無礼なことは言い出せるわけがありません。

折り柄、仕事がだんだん忙しくなったこともあるし、
長い間、政府にたてついて故郷へ帰れずにいたのが
台湾政府と漸く妥協が成立して、
台湾で仕事をやることになったこともあるし、
また外国旅行にもしょっちゅう出かけるようになったので、
個人の相談にのるのはそろそろ廃める潮時かも知れないと
思うようになっていました。

しかし、定期的に相談に来る人もあるし、
最初は相談からはじまって
家族ごと親しくつきあうようになった人もあるし、
このまま切れてしまうのも困るから、
何か適当な集まりをつくって
邱センセイと定期的に会える機会をつくってくれませんか、
と親しくなった人々からの要請があって、
ならば3ヶ月に1ぺんずつ皆で集まって
一緒に食事でもする会をつくりましょうか
ということになってはじめたのが邱友会です。
スタートしてから既に21年の歳月がたちますが、
3ヶ月に1回、渋谷のレストランに集まって、
先ず1時間ほど私がスピーチをし、
それから皆で食事を共にする会をいまも続けています。





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