第55回
波の高低より潮の流れを見よ

天気だって毎日変わります。
今日は波が高いなあ、船を出すのはやめようか、
と怖がっていたら、漁師はつとまりません。
もちろん、大嵐の中でも出て行けと私は言いませんが、
魚をとる人は波の高い低いを気にするよりも、
潮の流れを見ることが大切です。
潮の流れに変わりがなければ、
魚のいるところに変わりがないからです。

それと同じように、
株式投資を自分のホビーと心得ている人は、
景気不景気を気にすることはありません。
まして株式の大暴落に驚かされることはありません。
大暴落は3日もすれば
台風と同じようにすぎ去ってしまうものだからです。

そんなことよりも、お金の流れは
どっちの方向に向っているのか、
またお金の流れによってうるおっているのは
どんな業種の、どんな企業なのかに気をつけることです。
世界中のお金がアメリカに向かえば、
アメリカの株が上がり、
アメリカの景気がよくなります。

そのお金が方向を変えて、アメリカから日本へ向えば、
日本の株が上がり、日本の景気がよくなります。
景気がよくなるから株が上がるのではなくて、
株が上がるから景気がよくなるのです。
株で儲かる人がふえれば、
人々が気前よくなってお金を使うのです。

そうした場合、人々が何に喜んでお金を使うかによって
産業界の明暗が分かれます。
多くの人がお金を使いたがるところに位置している
企業ほどお金が儲かり、株価が上がります。
たとえば、若い人が道を歩いていても、
車に乗っていても電話をかけるようになれば、
携帯電話も売れるし、電話会社も儲かります。
お小遣いの大半を電話料にとられてしまったら、
服を買うお金なんかなくなってしまいますよねえ。

波の高い低いを気にするな、潮の流れを見よというのは
こういう変化を見定めよということです。
株価は私たちの日常生活とお金の使われ方を
反映するものですから難しいことではありませんが、
観察力が要求されます。


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