第87回
外来語ほど難しい日本語はない

日本語をもう1つ難しくしているものに
外来語があります。
コーヒー屋やレストランの名前は大抵、
カタカナの外来語になっていますが、
あれを1ぺんで覚えられる日本人があるでしょうか。
仮にまる暗記できたとしても、
その本来の意味がわかっている人が
はたして何人いるでしょうか。

日本人はそんなことは全然気にしないのです。
意味がわからなくても、カタカナ名前になっておれば、
何となく流行の先端を行っている感じだし、
意味のわかる英語よりも
意味のわからないカタカナなら、
フランス語か、イタリア語だろうから、
もっと想像力を刺激されて、
一そう愛着を覚えるようになるのです。

一般の小市民でさえそうなんですから、
横文字の勉強をする若手の学者たちの
脱日本語感覚にはもっと極端なところがあります。
総合雑誌や一流新聞に載っている
学者先生の論文を見ていると、
ほとんどがカタカナの羅列で、
ふつうの日本人が読んでもわからないくらいですから、
日本語を勉強しようとしている外国人に
わかる筈がありません。
しかも、その外来語がどこから来たのか、
日本人にすらわかっていないことが多いのです。
マスコミはマス・コミュニケーションという
英語の省略で、
サボるとはサボタージュという
フランス語からきているとか、
アルバイトの語源はドイツ語くらいのことは
わかりますが、
ダサいというのも外来語かと思ったら、
「だって埼玉だもの」というのを縮めたんですと
説明されたことがあります。
外国人留学生でなくともお手上げでしょう。
そういう新語が次から次へとつくり出されると、
日本人にもわからない日本語が
日本中に氾濫するようになります。

そういうわからない日本語を理解するために
カタカナ辞典があるようになりましたが、
外国人にとっては日本語の辞典のほかに
カタカナ辞典のお世話にならなければ、
日本語が一人前に理解できないのですから、
本当に大へんですよね。





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