第244回
ドイツ人より気を遣う日本人

グループ行動がうまくとれていることは
1つの文化であると思います。
世界中を見渡すと、
日本人とドイツ人がそうした特長を備えています。

私はそういう人たちのことを戯れに
「制服のよく似合う種族」と呼んだことがあります。
制服がズラリと並ぶと、
それを着ている人も同じに見えます。
何をきいても似たような答えが返ってくるし、
行動する時も似たような行動をとります。
もちろん細部に立ち入ればそんなことはありませんが、
独裁にせよ、集団指導制にしろ、
時の流れに勢いがつくと、同じ方向にドッと動きます。

そういうところが、日本人とドイツ人の似たところで、
三国同盟を結んだり、同じように戦争に大敗して
ひどい目にあったりするのも、
もしかしたら国民性から来たものかも知れません。
そのあと廃墟から立ち上がって経済の復興に成功し、
西と東で最も実力のある経済大国になったのも
決して偶然ではないという気がします。

でも個性的ということではドイツ人の方が
頑なに見えます。
ドイツのホテルに泊まるとそのことがよくわかります。
ドイツ人は身体が大きくて背の高い人が多いので、
ドイツのホテルはベッドも大きいし、天井も高いし、
バスルームの中の湯舟が大きいだけでなく、
鏡の位置とシャワーも高いところにあります。
私でも背伸びをしないと、
ヒゲが剃れないくらいですから、
私たちと一緒に旅行に行った背の低い奥さんは、
背伸びをしても手がシャワーに届かないと
嘆いておりました。

日本のホテルは8割が日本人のお客ですが、
ベッドも外人向きに大きいのを入れているし、
鏡の位置もシャワーも
背の高い人でも使えるようにできています。
相手に自分たちに合わせろというより、
相手に合わせて自分たちにも
不都合のないようにというのが日本人の心遣いです。
日本製品が世界中から歓迎される理由が
おわかりでしょう。
日本人は客扱いに細かく神経を遣う国民なのです。


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