第258回
スーパーが自分の脚を食えばバーになる

不況で苦しんでいるのはデパートも同じです。
そごうが倒産して話題を呼んでいますが、
そごうだけがピンチにおちいったわけではありません。
三越も高島屋も、そごうの救済を買って出た西武百貨店でも
足元はグラグラしています。
どうしてかというと、お客さんが昔ほど
物を買うことに熱心でなくなったからです。
このことを不景気による一時的現象と思ったら、
間違ってしまいます。
消費者のお金の使い方が変わってしまったのです。

私がスーパーの方がもっと深刻だと言ったのは
お金の使い方の変化があたえる影響は
スーパーの方が大きいからです。
スーパーはデパートの真似をして
デパートより安い商品を提供していますが、
安いだけでムードのない商品が大半です。
デパートがムードのある商品を値下げすると、
スーパーはまともに影響を受けます。
ユニクロのようなムードのある
ファッションの安売屋が現われると、
根こそぎお客をとられてしまいます。

でも商品売り場が強いから
大丈夫だと思うかも知れませんが、
デパートはどこも食品売場にスーパーを併設していますし、
食材に関する限り安いことが
セールス・ポイントではなくなっています。
多分、デパートとスーパーの食品売場は
共存競争する立場にあると言ってよいでしょう。

しかし、スーパーは図体が大きくなった上に、
初心を忘れて徹底した安売り屋でなくなってしまったので、
スーパーを追い落とすもっと安さに徹底した
ディスカウント・ストアが次々と現われました。
これには大スーパーも驚いて、対抗上、
ディスカウント・ストアを買収して傘下におさめたり、
わざわざトイレにお金をかけない
ユニークなディスカウント・ストアまでつくりましたが、
いずれもうまく行っていません。
スーパーがディスカウント・ストアをつくると、
自分の商売をディスカウント・ストアに
とられてしまうんです。
蛸が自分の脚を食べたんでは長続きしないのは
当たり前ですよね。


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