第261回
化粧品売場はなぜ1階にあるの

デパートの1階にはハンコで押したように
化粧品売場があります。
あまり人だかりはしていません。
それでも化粧品が
1階の一番よいスペースを占領しているのは
化粧品のマージンが大きく、
売上げに対するデパートの取り分が多いからです。
ネクタイや靴、ハンドバッグなどの皮革製品についても
同じことが言えます。
デパートの1階のお客さんは
デパートにとって良いお客さんなんです。

だから狙われるんです。
化粧品に販売マージンが多いと、
安売り屋がマージンを減らして安売りをします。
それでは値崩れをして
販売システムが維持できなくなるので、
一流化粧品メーカーほど小売業者に定価販売を強います。
そのきびしい規制の枠をくぐり抜けて、
スーパーや化粧品の安売り屋が
横流しの商品の安売りをしたので、
メーカーとの争いが絶えませんでした。
裁判沙汰にまでなって長い時間かかりましたが、
結局、メーカーが降参して
昔ほど定価販売に固執しなくなりました。

化粧品は原価の安い物ですから、
安い化粧品はいくらでもあります。
でも安い化粧品は誰もふり向きません。
美しくなることは容易ならざることであることを
誰でも知っているし、
美しくなるためにはそれなりの代価を
支払わなければならないことも知っています。
そういう錯覚の上に成り立っているのが
化粧品商売ですから、
高価な化粧品を安く売るのでないと駄目なんですね。

そういう盲点をついたのが
マツモト・キヨシを代表する
化粧品・薬品の安売り屋さんです。
安いと言ってもマバラに安いだけですが、
それでもデパートの近くに店を出されると、
1階のお客がそちらに行ってしまってただでさえ
人通りの少ないデパートの化粧品売場が
一そうさびれてしまいます。
私なら1階に弁当屋と食品売場を持って行きますが、
デパートの経営者は
固定観念で頭がコンクリートになっていますから、
人っ子一人通らなくなっても化粧品売場は
動かさないでしょうね。
昔の夢に生きている人たちが経営者ですから。


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