第379回
ユニクロ現象が時の流れになります

国際的な較差をうまく利用してお金儲けをするのを
私は「ユニクロ現象」と呼んでいます。

いまに必ずそいうことが起ると私が考えたのは
10年も前のことですが、
それを証明してみせただけでなく、
広く日本国中にわからせたのがユニクロだからです。

日本と中国の賃金差が20対1であって見れば、
賃金の安いところで生産すれば、
お金が儲かることは誰にでもわかります。
でもそれだけでは駄目なんです。
賃金が安いということは、仕事がないからだし、
仕事がないのは仕事ができるような条件が
揃っていないからです。

政治や治安がちゃんとしていないという
カントリー・リスクもあるだろうし、
電力、道路、水、港湾設備などの
インフラが整っていないということもあるだろうし、
賃金が安いのは労働力の質が悪く、
訓練ができていないからだという
投資を躊躇させる諸々の悪条件が考えられます。

その点、中国は共産主義に支配されてきたという
心配はありましたが、
(それだけで人々を尻込みさせるには
 充分だという考え方もありますが)
その他については困難は多々あっても解決可能だと
私は判断しました。
だから日本企業の中国進出に積極的に手を貸したし、
自分でもその先頭に立って走ってきましたが、
安い製品をつくることができても、
「売れる商品は何か?」について
工場は頭脳も能力も持っておりません。
工場の現場陣営にできることは
精々製品の生産過程を改良したり、
コストダウンの努力をすることです。

一番肝心なお客が何を欲しがっているかについては、
それを専門とするチームが必要です。
それを開拓するチームを消費地である日本に持って
生産から販売まで一貫してやれる組織をつくりあげたのが
ユニクロです。
こういう形の企業構成は
その他多くの業種に応用のできることです。
ユニクロ現象は今後、怒濤の勢いで
日本全国を風靡するだろうと私は見ています。


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2001年3月24日(土)

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