第384回
お金持ちか有名人になりたいでしょう

株が大暴落したり、土地の売買がとまったりしたら、
銀行が倒産したり、企業がお手上げになります。
そうした企業に勤めていた人は大きな打撃を蒙りますが、
国が潰れてしまうようなことはありません。

そごうも潰れたし、
ダイエーやマイカルもおかしなことになっていますが、
何とか息のつけている同業者もたくさんあります。
お金の流れが変わって
お金の通らなくなったところは干上がっていますが、
産業界の構造に大きな変化の起こっている時ですから、
どこの仕事場も大なり小なりその影響を受けます。

しかし、リストラの対象になって
クビをきられたら別ですが、
そうでない限りサラリーをもらう分には
大きな変化はありません。
ボーナスの減額はさけられないとしても、
サラリーが下がらなければ、
デフレで物価は下がる方向にありますから、
生活は却って楽になります。
住宅ローンの支払いに追われていると大へんですが、
もう住宅ローンを完済した人や
まだ借金をしていないフレッシュマンにとっては
気楽な時代と言えるのではないでしょうか。
頭が痛いのはサラリーを払う側で、
サラリーをもらう側ではありません。

それでも人間はサラリーをもらうだけでは満足ができず、
頭を痛める側にまわりたがります。
それは人それぞれに野心があり、
年をとるにつれていつまでも
のんきに構えてはおられないという焦りがあるからです。

自ら進んで頭を痛めるのですから、
もちろん、頭を痛めるだけの
値打ちがあると思っているからでしょう。
清の乾隆帝が福建に下った時、
港にたくさん船が停泊しているのを見て、
「たくさんの船だな」
と言ったら、
「いいえ、たくさんあるように見えても
 富貴と名声という二隻だけです」
と臣下から言われたそうです。
世の中が次々と変わっても、
きっと人間が目指すのは、
金持ちになるか、有名人になるか、のどちらかでしょう。
文明の世の中になっても
人間はそんなに賢くはならないものですね。


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2001年3月29日(木)

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