第439回
安売りをしない農業を考えて下さい

いまはデフレの時代です。
景気もよくないし、安売りをしないと物が売れないので、
安売り競争が激甚です。
食料品も例外ではありません。
葱や生椎茸も中国産に市場を奪われて、
とうとうセーフ・ガードが発令されて、
物議をかもしているのはご承知の通りです。

これは時代の流れですから、
一旦、流れに乗ると、流れそのものが方向を変えない限り
なかなかやむものではありません。
いくら構造改革を叫んでも、
そう簡単には流れを変えられないのです。
安売りに対応できない業者は
恐らく整理されてしまうことになるでしょう。

こういう動きに耐えられるためには、
安売りをしても利益を出せる方法を考えるか、
安売りをしなくともお客がなくならない商売のやり方に
徹底するよりほかありません。
永田照喜治さんの完熟トマトは
後者に属する新しい農業のやり方です。
私のようなトマト嫌いが喜んで食べるくらいですから
トマト好きなら一度口にするとやめられなくなります。
粒の大きさにもよりますが、
2個で250円とか、3粒で400円は
どう考えても高すぎますよねえ。

でもうちの家内も含めて、
それをデパートやスーパーやカード販売会社で買う人は
結構たくさんいるのです。
どうしてかというと、2人暮らしの老人夫婦とか、
若い人でも口の奢っている人は、
そのくらいのゼイタクには耐えられるし、
安くなくとも美味しい方を選ぶからです。
そういう人たちを相手にすれば、
安売りしなくとも商売になります。

農業は斜陽産業だと言いますが、
普通の商品の3倍で売ることができれば、
事業として成り立ちます。
たとえばミカンは地方自治体の行政指導で
過剰生産におちいり、
その誤ちを批判されたことがありますが、
温室でつくる小粒の甘いミカンを
屋外でつくる技術もできています。
またメロンの露天栽培もうまく行くようになって、
いまでは1個1万円もしていた
有名果物屋のメロンに負けない甘いメロンが
2000円で手に入るようになりました。
このラインで農作物のブランド商品をつくって行くと、
荒れた農地も息を吹きかえすことができるでしょう。
安売りをしなくてもすむ商売なら生き残るんです。


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2001年5月23日(水)

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