第519回
水も肥料も最低に抑える永田農法

山東省で有機野菜を急速冷凍して
日本に輸出している会社の総経理をしているのは
上村という日本人の方でした。
上海で初対面した時は、
ただQ先生のお連れした方ということで挨拶しましたが、
永田先生はもしかしたら20年ほど前に
完熟トマトをつくられた方ではございませんか。
あの時、そのトマトを味わって
衝撃を受けた印象が残っています。
と言われて、永田さんも
旧知に思わぬところで再会した感じでした。

そうとわかったら、
その場をつくろったきれい事を並べても、
どうせわかってしまいますから
嘘いつわりのないところを申し上げます。
いま日本から次々とバイヤーの方が押しかけてきて、
商売はとても繁盛していますが、問題は山積しています。
と上村さんは現地で農業生産に従事して
実際に直面している多くの問題について
次々と本当のことを打ちあけてくれました。

いま日本では有機農業はウケに入っているけれど、
如何に問題が多いかは実務家なら
誰でも痛感していることです。
また輪作を避けて毎年連作を続けると、
作物の味がおちるし、
土地も痩せて収穫がおちてしまいます。
枝豆を植えるのも、
露天とビニール・ハウスの両方のやり方がありますが、
意外にもビニール・ハウスの方が温度が高くなりすぎて、
根や葉の育ちが悪くなってしまいます。

永田さんは農業の生き字引きのような人ですから、
そういう悩みについて、言われる前からバチバチと答えを出して、
それが寸分違わないのです。
殊に畑に出て、露天の枝豆とビニール・ハウスの枝豆を
1本ずつ抜いてきてその生長ぶりを見比べると、
常識と違う結果がはっきり見えて、
現地の監督たちも心服するよりほかありませんでした。
永田農法で水も肥料もなるべく控え目にして育てると、
貧乏人の小倅れが
親の仕送りをあてにしないで孤軍奮闘するように、
味もよく収穫も倍ということが起るんです。
これが21世紀の新しい農法なんです。


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2001年8月11日(土)

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