第586回
四海のうち皆兄弟なり

少し前までは日本で外人さんの姿を見かけることは
あまりありませんでした。
戦後、駐留軍が休みの日に町に姿を現わすていどで、
その中に黒人がまじっていたのが
目立ったくらいのことでした。

でもいまは違います。
アジアの人だけでなく、中近東の回教徒の国の人たちも
裏方として働いています。
日本人だって一年に1700万人もの人が
海外旅行に出かけるようになったのですから。
貧乏な国から日本に出稼ぎに来る人がふえるのは
当り前のことでしょう。
どんなにきびしい制限を加えても、
オマンマにありつけるチャンスがあれば、
人は必ず寄り集まってきます。
つかまったら強制送還されると言っても、
かくれて見つからないようにすればいいのですから、
不法滞在者はふえる一方です。
考えて見れば、
ここはお前たちの来るところでないと言って追っ払うのも
人道上、問題がありますね。

グローバル化とは交通機関が発達して
人がどこにでも移動できるようになり、
地球が狭くなったということですから、
人はどこにでも動きます。
先ず生産された物を外国に売るために
物が最っ先に動きます。
それを売買するために人も動きます。
その支払いのためにお金も動きますが、
お金にはパスポートの必要がありませんので、
人よりは自由に動きます。
しかもお金にはもともと形がありませんので、
いけないと言われれば、
たちどころに思いもよらない姿に化けて
どこにでも動けます。

その点、一番不器用なのが人間です。
人間のパスポートには、
写真やサインまでついていますから、
すぐにもチェックされてしまいます。
その代わり人間には知恵もあり、足もありますから、
入管のゲイトさえうまくくぐれば、
あとは一目散に逃げます。
日本人はそんな心配をしなくてすむ
アジアで数少ないしあわせな国民ですから、
そういうもぐりの心情はあまり理解できないでしょう。
でもあなたの周囲にもそういう人は
たくさんいるようになりつつあります。


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2001年10月17日(水)

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