第612回
少し距離があると物がよく見えます

いまは北京にいても、上海にいても、
テレビのスイッチを押すと、
NHKもBS1もBS2も瞬時に見ることができます。
また新聞も日経、朝日、読売の朝刊が
その日の夕刻には手元に届きます。
新聞が遅れるのは、
香港で印刷して飛行便で現地まで届くのに
少々時間がかかるからです。

でも相撲や野球だって見られるのですから、
浦島太郎になったという感覚はございません。
むしろ現地の報道や欧米のニュースも映るのですから、
言葉さえわかれば、
もっと多角的に情報を得ることができます。
その上、現地はもとより
外国のインターネットもつながるのですから、
政府にとって都合の悪いニュースを
コントロールしようとしても
いよいよ無理な時代になってしまいました。
ききたくないことがいやでも耳に入ってくるのが
デモクラシーだとすれば、
世界中がその方向に向っていると言ってよいでしょう。

ですから外にいても、
日本で何が起っているかすぐにわかります。
但し、知人友人が死んだ場合、テレビ、新聞を見逃したり、
テレビ、新聞に出て来ない人だったりすると、
弔花を送りそこなったり、
まだ元気だと思って年賀状を出してしまったりします。

それにしても、日本にいて日本のニュースに接するより、
日本から離れていて日本のニュースに接する方が
印象は遥かに鮮やかです。
とりわけ記事や論調の変化がよく目につきます。
たとえば、いよいよデフレに居座られて
不況が長期化するだろう話とか、
電機メーカーの赤字が合わせて1兆円をこえる話だとか、
また日本のメーカーがこぞって
大陸目指して移動しはじめた話だとか、
現に私がずっと前から言い続けてきたことが
次々と報道されるようになると、
「やっと今頃」という気持ちと
「いよいよ、これからだ」という切実感が入れまざって
時代の変化が身に迫ってきます。
少し離れている方が物事は却ってよく見えるものですね


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2001年11月12日(月)

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