第685回
先ず世の動きを理解することから

私が「文明の衝突」からはじまって、
天下の情勢の変化をクドクドと述べてきたのは、
地球的規模で起っている変化が私たちの日常生活に
おとす影をしっかりとキャッチしないと、
今日のような難しい時代を
うまく泳ぎ切って行けないと思ったからです。

何が大切と言って、自分にどんな仕事ができるのか、
また自分の持っているお金を
どんなに上手に動かしてスマートに生きるか、
自分でコントロールできるほど大切なことはないでしょう。
人の世を生きて行くためには
ほかにもっと大切なことが色々とあると思います。
いくら立派な仕事を持っている人でも、
また世の中のお金をごっそりと集めたような大富豪でも、
平々凡々な人よりずっとみじめな生活を送っている人は
いくらでもおります。
そういう人に比べたら、
自分の欲望のコントロールができた市井人の方が
ずっと仕合わせだという例はいくらでもあります。

しかし、そういう人でも
世の中はどういう方向に動いており、
自分はどういう具合に仕事にありつき、
またどういう具合に老後に備えるかは、
自分で考え、自分で実行しなければならないことです。

もちろん、
自分にできることと自分にできないことがあります。
知るよりも行うことが難しいと昔から言われています。
でも知らないことをやれと言われても実行はできません。
正しい知識を持ち、その知識に確信が持てれば
他人から見て一見、無謀なことであっても
信念を持って実行に移すことができます。
だから、知ることが先で、
私が書斎にばかりひきこもっておらずに、
できるだけ動きまわって、
できるだけ多くの見聞に接する努力をするのも、
自分の知っていることが正しいかどうかを
常に確かめるためです。

失業とか倒産は、
自分の生き方を考えなおすいいチャンスです。
ピンチに遭遇しなければ、人は自分のやっていることが
正しいかどうか反省するいとまがありません。
そういう意味ではいまは緊張感に充ちたいい時代です。


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2002年1月24日(木)

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