第715回
日本だけが無能無策と思うのは間違い

カナダのオタワで開催されたG7の財務相、
中央銀行総裁会議では、
「再び拡大する見通しはおおむね強まってきている」
という奥歯に物のはさまったような
経済展望が表明されました。
続いて
「今後も注意を怠らず、
 力強い景気を促進するための適切な措置をとって行く」
という但し書きがついていますが、
本当はこちらの方が本音といってよいでしょう。
まさかお先真っ暗闇ですという結論を
出すわけには行かないのですから。

でも私があちこち歩き回って見ている限りでは、
世界中がこれからデフレと失業の宵闇に
さしかかっているところです。
工業化の先端を切っている日本で真っ先に陽が暮れ、
たまたま世界の基軸通貨として通用してきたドルを
うまく操作することによって世界中のお金を集めて
好景気を保ったアメリカが
一番陽の暮れるのが後回しになっているけれども、
陽の暮れることにおいては早い遅いの違いがあるだけです。

まだ陽が頭の真上にあったアメリカが
暗闇の中で手さぐりをしている日本を見て、
「何をぐずぐずしているんだ」
とどやしていましたが、
アメリカがインフレの心配をしている時に、
日本は提灯を探して、
へっぴり腰になっていただけのことです。
人から借りたお金を使って粋がっている人には、
莫大なお金を抱えて一寸先も見えない暗闇の中で
途方に暮れている人の心境などわかる筈がないのです。

でもこれだけ不況が長く続いて、
暗闇に次第になれてくると、
暗闇の中でも少しは目が見えてきます。
不良債権の処理も思うように行かず、銀行も駄目、
既存の一流会社も駄目ということになれば、
商売をする人は銀行からお金を借りず、
お金を持っている人は銀行にお金を預けず、
自分で頭を働かしてお金を動かすようにすればいいのです。

日本人の方がバカで能なしで
おっちょこちょいと言うことはありません。
そのうちに陽が暮れたら、
暗闇の中でアメリカ人がどんなカッコをするか、
じっくり見せてもらうことにしましょう。


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2002年2月23日(土)

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