第731回
農産物に一番大きなスキマがあります

こんな不況のさなかで、
ユニクロや100円ショップ大創の社長さんたちが
うまく成功できたのは、社会的矛盾をうまく見つけ出し、
そのスキマにノミを入れることができたからです。
同じ要領で、次々と移り動く社会の新しいスキマを
探せばいいのです。

たとえば、セーフ・ガードの対象になって
高い関税をかけられた葱や生椎茸が問題になったのも、
同じ農産物でありながら、
日本でつくるのと、中国でつくるのとでは
コストが違いすぎることから起っています。
一番大きな違いは農村における賃金の差です。

中国と日本の都会地における賃金の差は
日本が中国の30倍ですが、
農村でも更に大きなひらきがあります。
何しろ人口が多すぎて農民1人あたりの耕作面積は
200坪しかありませんから、
農民の収入は都会地の更に3分の1以下でしょう。
そういう人たちに村単位の請負いで農産物をつくらせたら、
日本の10分の1の値段でできてきたとしても
不思議ではありません。

食生活の習慣が違うので、
向こうでつくった物をそのまま持ってきても
商売にはなりませんが、
日本で需要のある物を指導して向こうでつくらせれば、
途端に大きな付加価値が生まれてきます。
あまりに日本の農産物と値段のかけ離れた農産物が
日本に輸入されるようになったのも、
日本人でこのスキマに気づいた人たちが
現地に種子まで持って行って指導をしたからです。

葱や生椎茸は
可能性のある農産物のうちのほんの一部にすぎません。
冷凍の技術や加工の技術も急速に進歩しましたから、
距離の遠いのは大きなハンディでなくなってしまいました。
鮮度が問題になる作物も、
加工をしなければ輸出のできない作物も、
国から国へ動かすことによって利益の生ずる限り、
新しい商売の対象になる筈です。
どこまでが商売になり、どこからは商売にならないかが
新しいスキマを探す人の仕事になるのです。


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2002年3月11日(月)

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