第965回
安売りしなくても生き残れる工夫を

デフレになると、みんなで安売りの競争をします。
人より安く売れば、一時的にはお客が寄ってきますが、
商売仇が同じことをやれば、お客を向うにとられてしまいます。
お互いにそういうことをくりかえしておれば、
売上げが減った上に、利益も減ってしまいますから、
体力の弱っている企業から
店じまいということになってしまいます。

社用族を相手のクラブや料亭は企業の交際費がなくなるにつれて、
とっくに姿を消してしまいました。
いま新興のレストラン・チェーンは
いずれもサラリーの中から税金を引いて残った
サラリーマンの月給袋の中から支払われているものが大半です。
それだけに安い方が客寄せになるので、
牛丼でも焼肉でもピザパイでも
値下げをした方にお客が集まります。
しかし、安くしたために一時的にお客がふえても、
ライバルが同じことをくりかえせば、
結局、共倒れになってしまいます。

その上、ほかの商売が悪い分だけ新規参入者がふえると、
人の胃袋の大きさは一定ですから
自分のところにまわってくるパイの大きさは小さくなる一方です。
このままではレストラン業者は業績が頭打ちになり、
減収減益になることは避けられなくなります。
私が「チェーン・レストランの時代になりますね」
と言ってから2、3年たちますが、
チェーン・レストランも安さで勝負することから
方針の切りかえをしないと大変なことになります。

多分、味の工夫をしたり、店のムードの切り替えをし、
値段で勝負しなくとも
お客を魅きつける工夫をしなければならなくなるでしょう。
デフレの中で生き残る最も安心のできる方法は
安売りをしなくともちゃんとお客が集まり、
お客が喜んでお金を払ってくれるノウハウを身につけることです。
レストランだけではありません。
小売店さんでもメーカーでも同じです。
身のまわりにも必らずそういうやり方で
成功しているサンプルがある筈です。
先ずそういう人のやり方を研究して見て下さい。


←前回記事へ

2002年10月31日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ