第1025回
夜の町で働く人も税金の担い手です

私はずいぶん前に、
交際費に課税するのはやめた方がいいと提唱しました。
消費が不足しているのだから、
消費を奨励するためなら、
むしろ交際費の免税ワク一杯お金を使わなかったら、
その差額を税金でとると言うことにしたらどうだろう。
税金をとられるくらいなら使う方がましだとばかりに、
恐らく夜の町は実施されたらその日から
賑やかになるんじゃないかと言いました。

でも長いこと、相手にもされませんでした。
皆がまだ貧乏で、物が不足した時代には、
生産事業に従事している人がまともな人で、
夜の町で働いている人は
産業界の寄生虫くらいと思われていたのです。
ビールやウイスキーをつくっているのは堅気で、
それをコップに注いでお客にすすめる水商売は
眞面目に相手にされなかったのです。
そういう時代に身についた固定観念は
いくら世の中が変わってもそう簡単には変わらないのです。

ところが、家電製品や自動車をつくっている企業は
お金を儲ければ税金をとられます。
じゃ日陰の花は所得税を納めなくともよいかと言うと、
そんなわけには行きません。
ガラスのコップにウイスキーを注いで
氷を入れてクルクルまわして、
原価の5倍で売ったとしたら、
それによって儲けたお金にも同じように税金がかかってきます。
付加価値のあるところ税金ありで、
メーカー業とサービス業に何の差別もないのです。

それどころか、歯ブラシは3本買わない人でも
水割りは3杯飲みます。
消費の不足する時は、サービス業の生み出す付加価値が
メーカー業の付加価値の不足分を補ってくれます。
夜の町の払う税金も大切な財源です。

いくら私が口を酸っぱくして言っても、
政治もお役人も馬耳東風でしたが、
今年の税法改革のニュースを見ると、
資本金5000万円をこえる会社にも年400万円の枠と
枠内の交際費の課税は20%から10%に減税する
という案が出てきました。
やっとという感じですが、
それにしても何とケチな税金の負け方でしょうね。


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2002年12月30日(月)

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