第1164回
殿様政治の台所は昔も今も火の車です

いま日本の国にはかなり具合の悪いことが起っています。
日本の国を統治する立場にある政治家が
世襲制の昔に戻ってしまったからです。
テレビに出て来て談話を発表する政治家を見ても、
それに反撃する野党の政治かを見ても
親のあとを継いだ人が多く、
池の水のようにすっかり流れが悪くなってしまいました。

地方の顔役が固定して、選挙をすると
親の票がそのまま子供に受け継がれるようになったからです。
財産なら相続にあたって多い時は50%も
相続税に召し上げられてしまいます。
不労所得と見なされているからです。
ところが、選挙の票にはそれがありません。
明かに不労所得であるにも拘らず、
選挙法は政治家たちが
自分たちに都合のよいように決めるものですから
どうしてもそうなります。

ところが、相続税を召し上げられる産業界の人では、
子が親のあとを継ぐことはますます難しくなっています。
時代が変わって同じことを
何十年も続けてきた親の方でも手に合わなくなっているし、
才能のない息子に至っては
たとえ全事業を継いでも、会社を潰したり、
会社から追放されることも起ります。
大きい会社は、非同族化して
社員の中から経営者が選ばれることによって
辛じて息をついているし、
才能のある人は自分で新しい事業を起します。
それも自分の生まれ故郷でやる人はほとんどありませんから、
世襲制も不可能なら、生まれ故郷を地盤にすることもありません。

新しい時代をつくるのは新しい事業を起す人たちであって、
故郷を地盤にした世襲制の殿様ではありません。
殿様は生まれはよいかも知れませんが、
経済のことはわかりません。
徳川300年の歴史を見てもわかるように、
どこの殿様もその家臣も経済がわからないために
台所はいつも火の車で、
借金に借金を重ねて利息の支払いに苦しんできました。
第二次大戦が終って過去を清算され、
何もなしから再出発した時は
新しい地盤の奪い合いだからよかったのですが、
世襲制の昔に戻ると、
また台所のやりくりで苦しむようになります。
でもこれは政治家たちが自分たちで決めたことですから、
どうしようもないかも知れませんね。


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2003年5月18日(日)

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