第1237回
中国人がコーヒーを飲むようになったら

いま日本ではコーヒーハウスがしのぎを削っています。
スターバックスやタリーズをはじめ、
日本ではじまったドトール・コーヒーなども含めて
猛烈な競争を展開しています。
中国ではそれがやっとはじまったところです。

上海に行くと、スターバックスや
日本をオリジンとするUCCとか、
眞鍋コーヒーの店が顔を出しはじめたばかりですが、
将来、これが全国的なブームをひき起す可能性を持っています。
いま上海の昼弁当は1食で7元(1元は15円)ですが、
コーヒーは1杯で20元もします。
ホテルに行くと、60元というところもあります。
食事よりも高いのでは
一般庶民は飲みたくても飲めません。
中国人がコーヒーを受けつけないのではなくて、
コーヒーの方が一般の中国人を寄せつけないのです。

似たようなことは30年前の台湾にもありました。
長く亡命生活をしていた私が
台湾政府に乞われて台湾へ帰った時、
台北には上島珈琲店とあと何軒か
地元の喫茶店があっただけで、
コーヒーは貴重品でした。
私は私のカバン持ちをしてくれたり、
私の車の運転をしてくれた台湾の青年たちに
コーヒーの飲み方の手ほどきをしました。
スプーンの置き方も知らなかった連中が
いまでは1日に5杯も10杯もコーヒーを飲む
マニアになっています。
台北の町を歩いていても、
アメリカのスターバックスやシアトルや、
日本のドトールやUCCなど入り乱れて、
一並びの商店街にコーヒー店だけでも10軒は並んでいます。

同じことが将来の中国にも起ると私は見ています。
いま中国の人がコーヒーを飲まないのは
30年前の台湾の人たちと同じように
収入に比べてコーヒー代が高すぎるからです。
これからの10年は中国人のふところが大きくふくらみます。
SARSだって物ともしない経済成長ぶりが
続いているのを見てもわかります。
そうだとしたら、中国人にコーヒーを飲ませるのは、
日本人にウーロン茶を飲ませるより容易だと思いませんか。
日本の10倍もの人口のあるところですから
一旦、コーヒーを飲むようになったら、
大へんなことになります。


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2003年7月30日(水)

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