第1277回
香港の中国不動産株に動意のきざし

いま中国大陸に進出している華僑資本は
大別すると香港投資と台湾資本に2分されます。
香港人の得意とするのは、
不動産、ホテル、銀行などのサービス業で、
台湾人の得意としているのは工業生産です。
労働集約的な生産加工から
コンピュータ関連の電子工業まで、
いま中国の輸出の推進力になっているのは
ほとんどが台湾からの進出企業です。
それに対して、
ビルやマンションなどの建物やホテル、銀行など
現地事業の開発に力を入れているのは
ほとんどが香港の人です。

どちらが大陸の経済発展に寄興しているか
議論することにはあまり意味がありません。
それぞれその長所を生かして金儲けに励んでおり、
それが中国経済の発展に
貢献しているといった方が正しいでしょう。
どちらも新しい付加価値を中国にもたらしていますから、
株を買うということは
その分け前にあずかるということであります。

この10年、工業生産の分野でも
不動産開発の分野でも、
血のにじむような困難がありました。
不動産投資に従事してきた香港資本は
投資につぐ投資で、
思うように業績があがらなかったために、
香港市場に上場している
中国投資専門の不動産会社の中には
1株10ドル以上だったのが
1ドルとか2ドルまで落ち込んだものもあります。
気の遠くなるような資本の注入で、
含み資産は莫大な金額にのぼっていますが、
株価はその20%とか
30%まで落ち込んでいる企業も少くありません。

過剰流動性が新しい潮流になれば、
これらの含み資産に一挙に陽が当ります。
土地や商業ビルをたくさん持っていて、
これから開拓される商品は値上がりはしても
原価を割って損をする可能性は
なくなってしまったからです。
香港の不動産は依然として
低迷が続くことが考えられますが、
香港の一流の不動産会社の中国不動産投資は
10年の潜伏期を終えて
いよいよ花が咲く時期に到達したと私は見ているのです。
既に香港の中国投資不動産株は動意を見せていますが、
本格的な動きはやっとこれからはじまるところです。


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2003年9月8日(月)

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