第1318回
古道具屋はカッコのよい商売です

たとえば、中国の床屋は
少し前まで道端で散髪をしていました。
その時、お客を坐らせた椅子があります。
椅子というよりは腰掛けで、
横に40センチほど、幅は10センチほどで、
眞ん中に散髪代を入れるための銭穴があります。
腰掛けの横は引き出しになっていて、
銭やカミソリなどの小道具が
入るようになっています。

私は古道具屋でそれを1つ買って
自分のマンションの玄関口においてありました。
靴を穿く時にとても重宝していました。
うまいことにもう1つ手に入ったので、
陳列室に並べておいたところ、
視察団で来た人の間で奪い合いになりました。
見るに見かねて私が自分の家で使っていたのを先に譲り、
もう1つ探がすことにしました。
でも古い物ですから、
うまく見つかるかどうかわかりません。
うっかりすると、気前よく譲ったことを
私が後悔することになるおそれもあります。
でもそれも古道具を買う楽しみの1つですから、
別にかまわないのです。

中国という広大なところのことでもあり、
長い歴史の中で使われてきたものですから、
ずいぶん色んな物があります。
彫刻の施された美しいベッドもあれば、
嫁入りの時に花嫁を迎えに行く轎もあります。
チベットのタンスもあれば、
高位高官の坐る美しい曲線の椅子もあります。
私が自分の分を買ってもらうついでに、
もう1組手に入れば、
残りは商売にまわすことができます。
集めて来た人に儲けさせなければなりませんが、
日本人の欲しがる物であれば、
日本ですぐにもとぶように売れてしまいます。
現に私と一緒に旅行に来た人たちを案内したところ、
陳列室に並んでいた物が空になってしまうくらい
奪い合いになってしまいました。

なかには「僕がやりたいなあ」
「私にやらせていただけませんか」
という人も何人か現われましたから、
小資本でできる、
いまの時代のセンスにぴったりの商売と言えるかも知れません。
そうは言っても本業の片手間に
というわけには行かないでしょう。
本気でやりたい人がいましたら
ルートをつけてさしあげるくらいのことはできます。


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2003年10月19日(日)

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