第1387回
「一勝九敗」を読んで元気をつけて下さい

ユニクロの創業者である柳井正さんから
その近著「一勝九敗」(新潮社刊、980円+税)を
送っていただきました。

親から受けついだ小さな衣料品店を
全国に500店もある一大チェーン店に育てあげ、
業界だけでなく、
産業界全体の話題をさらったのは皆さん、
誰でもご存じの通りです。

衣料品なんて斜陽産業の代表みたいなもので、
百貨店やスーパーのかげにかくれて
群小零細企業の出る幕がないのは業界の常識です。
そうした常識を打ち破って、
日本でデザインした物を
賃銀の安い中国で加工して、
日本全国で売りまくって
年間に4000億円も売上げを伸ばし、
1000億円以上の利益をあげたのですから
時代の寵児になったことは間違いありません。

「出る釘は打たれる」と言いますが、
あれだけ天下の注目を浴びれば、
皆が金槌を持って待ちかまえています。
同業者だって指を加えて見ているわけがありません。
どこかで必らず頭を打ち、
どこかで必らず失敗することが考えられます。
柳井さんは先手を打って自分の自伝に
「一勝九敗」というタイトルをつけたのでしょう。

事業に成功した人なら
誰でも身に覚えのあることです。
私にも「金儲けの神様が儲けそこなった話」
(これ、私がつけたタイトルではありません)と題して
失敗談を読み切り連載で
30回にわたって週刊朝日に書いたことがあります。
割愛した分もありますから、
失敗は数知れずということです。
「失敗した話ばかり書いて、
邱さんはどうして金儲けの神様なんでしょうね」
と日下公人さんにどこかで書かれたことがあります。

でも成功はクスリになりませんが、
失敗はクスリになります。
失敗をしたら、この次は失敗しないように、
と誰でも用心深くなります。
9回失敗しても1回、大きく成功すれば、
日本国中の話題になるのですから。
失敗を怖れることはありません。
以上、私が最近読んだ本をご紹介しました。
正月休みにお読みになることをおすすめします。


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