第1493回
どんな商売にも適正規模があります

ビジネスホテルをつくった時、
はじめてやったことですから、
いくつもいくつも失敗をしました。
3000円で泊れるホテルは当時としては
画期的なものでしたから、
潜在需要はいくらでもあるのですが、
ここにこんなホテルがありますと
人に知らせることができません。
70何室が毎晩満杯になったとしても、
1日に20何万円しか売上げがありませんから、
広告料の出どころがないのです。

仕方がないので、
パンフレットをつくってもらい、
私が地方に講演に行った時、
話をききに来てくれた社長さんたちに、
「皆さんは出張経費を自分たちで
 決めることのできる立場ですから、
 ホテル・オークラか、
 ホテル・オータニに泊って下さい。
 でも皆さんの社員の人には東京に行った時、
 このホテルに泊るようにすすめて下さい」
と1枚1枚渡してPRをしました。

私は他人任せで
自分は滅多にホテルに顔を出していませんでしたが、
たまに行ってみると
顔見知りの社長さんとバッタリ顔を合わせたりします。
「おや、どうしてこんなところへ?」
とききますと、
「私だって安いほうがいいですよ」と
へへへ・・・と笑っています。
そんな場面もありましたが、
もともと社会的需要があるのですから、
少し時間がたつとだんだん常連客ができて、
稼動率も高くなって行きます。
すると、そこでまた自分の失敗を
悟ることになります。

ビジネスホテルはできるだけ
人件費を減らして
家賃を安くするのが目的ですから、
人手が少くてすむ経営をしますが、
効率よく採算に載せるためのスケールがあるのです。
用地や建築費の制約もあって
70何室のホテルをつくりましたが、
本当は150室が適正規模で、
使用人もフロントも同じ人数で
150室まで面倒を見ることができることがわかりました。
でもつくりあげてから
そんなことがわかっても後の祭りで、
次に建てる時にはそうしようと思っても
次に建てる人の役に立つだけで
自分の興味は別のところに移ってしまいますから、
自分の儲けにはなりませんでした。


←前回記事へ 2004年4月11日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ