第1604回
愛国心には泣かされて育ちました

日本人は自分たちのことを考える前に
先ず日本の国のことを考えます。
国の利益のことを
個人の利益よりも優先させます。
それに対して中国人は
先ず自分のことを考え、
それから自分の家族のことを考えます。
中国人より日本人の方が
愛国心を持っていると言われるのは
そういうわけだからです。

そのおかげで日本人は
国のために自分を犠牲にし、
周辺の国々に何回も戦争を仕掛けました。
そのために周辺の国の人たちはとても迷惑を蒙り、
ひどい目にあわされました。
私は日本が戦争をしかけて
清朝から奪った台湾に台湾人として生まれたので、
日本の教育を受け、日本語を喋って育ちましたが、
生粋の日本人ではなかったので、
国のことを考えろと言われても、
日本を自分の国として
素直に受け入れることができませんでした。

殊に日支事変になって
日本軍が大陸に兵を進め、
中国人に向って銃を構えた時、
皇軍の勝利のために日本の神社に参拝することに
とても矛盾を感じました。
私に言わせると、
日本人は愛国心があると言うけれど、
愛国心とは日本人の集団エゴイズムのことであって、
自分たちのためなら他の国の人たちのことは
どうでもいいということだと
子供ながらに考えました。
日本の植民地に生まれたばかりに、
愛国心に批判的な立場に育ったのです。

ふつうにどこかの国に生まれ、
その国に育った人には考えられないことでした。
人が愛国心を持つことに
否定的だったわけではありませんが、
愛国心に邪魔されないところに行って暮らしたい、
できることなら早く人々の心から
愛国心がなくなってしまえばよいとさえ思いました。
まだ高校生だった頃、
私は日本という国境をこえて、
できることならどこの国の人だということに
煩わされないですむ国際都市上海に
住むことはできないものかと
ひそかにあこがれたことがありました。
あれから半世紀以上たって、
まさか本当に上海に高層ビルを建て、
新天地に自分の住む家まで構えるようになるとは
思ってもいませんでした。
思ったことのあることは
いつか実現することがあるのですね。


←前回記事へ 2004年7月31日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ