第1618回
一歩目標に近づければ一歩だけチャンスがよく見える

台湾の工業化が進む過程で、
海外から進出した企業より
もっと大きなお金を儲け、
ずっと大金持ちになった台湾の企業家たちは
たくさんおりますが、
日本のあとを追って
台湾でもバブルがはじけると、
日本よりもっと大きな借金を背負って
倒産した企業もそれに負けないくらい
たくさん出ています。

日本では会社が莫大な不良債務をつくり、
それが銀行の不良債権として
銀行を倒産する寸前まで追い込んでいますが、
台湾では上場会社であっても
オーナーが誰かはっきりしています。
そのオーナーが先頭に立って
会社の資産を悉く銀行の担保に入れた上に、
自分の所有する会社の株まで
銀行の担保に入れて、
それによって借り出したお金の大半を
中国に運んで別会社に投資するので、
計画倒産による債務は
一社で何百億円、
何千億円に及ぶのが珍しくありません。
銀行の不良債権がどこでどうおさまるのか
見当がつかないほどひどい状態が続いています。

それに比べると、
日本からの進出企業が経営に行き詰って倒産した例は
ほとんどきいたことがありません。
お金が容易に借りられないこともありますが、
海外で投資をするような企業は
慎重な上にも慎重で、
結果として堅実経営に徹しているから
滅多なことでは倒産しません。
外国から進出した企業は
よほどの見込みがないと進出しませんし、
会社を傾けるようなことをしたら
誰も助けてくれないことがわかっていますから、
外国企業の方が倒産する確率は低いのです。

台湾だけでなく、香港でも大陸でも、
日本から進出した企業は安全性が高いし、
そこで働いておれば
メシの食えなくなる心配はあまりありません。
その代わり塀の中から外を見ているようなものですから、
多くのチャンスにめぐりあうとは限りません。
そうは言っても日本にいて
あれこれ想像をたくましくしているよりは、
窓から手を出せば
すぐ手の届く距離にチャンスはゴロゴロしています。
私ならチャンスに一歩でも近づくところに
自分自身をおきます。
そんなことやろうと思えば
誰にでもできることです。


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