第1695回
長大重厚の時代がまたはじまる

資源の中にはもちろん、
食料品も含まれています。
資源が不足するということは
とりもなおさず食料品が不足するということでもあります。
たとえば中国人の生活が豊かになって、
いままで食べなかった卵を毎朝、
1人が1個食べるようになると、
それだけで毎日、13億個の卵の消費がふえます。
13億個の卵を供給するために
鶏に食べさせる飼料のことを考えたら、
それだけで何が起ろうとしているかわかってしまいます。

どこの国でも工業化が進むと、
農業から工業へ人口の大移動が起るので、
食糧の不足が生じます。
過去の統計によれば、
人口を養う食糧の半分が不足するようになるのです。
たとえば日本なら6千万人分、
韓国なら3千万人分、
台湾なら千万人分、食糧不足になります。
その分、外国から輸入しなければならなくなりますが、
工業化した国は買うお金をもつようになりますから
支払うお金には困りません。
またその程度の不足なら
農業国に供給能力がありますから、
食糧不足が何とか表面化しないですんでいます。

けれどもこれが6億5千万人分、
更にインドも含めて12億人以上ということになると、
餓死者が出ることになりかねません。
実際にはそこに至るまでの過程で
産業界の構造に大変化が起り、
バイオによる食糧の生産だとか、
農業の工業化だとか、
私たちのこれまでの常識を越える
展開になることが考えられます。

だから問題が解決できなくなることはないでしょうが、
資源不足が最大のテーマになることに
間違いはないでしょう。
このきざしは既に世界的な素材産業の値上がり、
石油価格の値上がりに現われていると見てよいでしょう。

もしそうだとしたら、
新しい付加価値の大移動を
株式投資の重大与件の一つとして
頭に入れておく必要があります。
長大重厚の産業の時代がなくなったのではなくて、
そこに再び陽が当ることになるのです。
いまの中国で起っていることが
私たちに投げかけてきた新しいヒントです。


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