第1771回
役に立たなくなったテレビのコマーシャル

テレビを見ていて一番目障りなのは
最近のコマーシャルではないでしょうか。
民間放送を維持して行くためには
スポンサーからの収入が必要なことは
子供でも知っていますが、
コマーシャルも同じものが続くと
視聴者にあきられることをおそれて、
次々と目先をかえる努力がなされています。

各企業の広告担当者は
自分で考えるだけの頭を持っていないので、
広告会社に企画を押しつけます。
広告会社もそうした企画を提出するのが商売ですが、
長くやっていると
だんだん知恵の泉が枯れて、
さかさにふっても何も出て来なくなってしまいます。
もちろん、担当者を変えることも考えるでしょう。
でも会社中のアイデアマンを総動員しても、
アイデアの湖にも自ら限界があります。
辿りつくところは人をひきつけるために
奇をてらうことです。

最近でてくるコマーシャルのうち、
十中七、八までは何のための広告をしているのか
見ている側にはわかりません。
5秒か10秒のスポットでも
大へんなお金をとられるので、
短い時間にお客をとらえようとします。
「鬼面人を驚かす」という言葉が昔からありますが、
鬼面にばかりこだわって、
何のために人を驚かすのか忘れてしまうのでしょうか。
「あれは何の広告だったの?」ときいても、
そばで見ている人にもわからないことが多いのです。

それでも高いお金を払い続けているところを見ると、
大抵のスポンサーの社長さんたちは
自分らの会社の広告を
見ていないのではないかと思いたくなります。
見ていたとしても
その広告にどれだけの効果があるのか
考える立場にいないということです。
ということは実は広告をする必要のない会社が
惰性で広告料を払っているということになります。
日本の大企業は、口では大へんだと言っていますが、
まだまだ無駄金を使うだけの余裕を持っている
何よりの証拠です。
そうだとすれば、
何も文句を言うことはありませんが、
わけのわからないコマーシャルを見て、
物を買ってくれる消費者がいると思うのは間違いです。


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