第1790回
人民元の切り上げは必らずありますが

人民元の切り上げが
しきりに問題になっていますが、
問題は米ドルに比べて
人民元が不当に安値に釘付けにされているというよりは、
米ドルが不当に高値を維持されていることに
あるのではないでしょうか。
ユーローが先ずそのアンバランスを訂正しました。
最近では円にもその動きが出はじめています。

それに対して人民元だけが
同じレイトに釘付けにされているのはおかしい、
メイド・イン・チャイナだけが
ダンピングを許されているのは不公平だ、
と当のアメリカからも文句が出ているし、
中国とライバル関係にある日本からも、
また韓国や東南アジアからも
非難の声があがっています。

もしこのままの状態が続いたら、
中国の対米貿易は黒字が一方的にふえ続けて、
中国の外貨準備は日本に追いつき、
追い越すということがないとは言えなくなります。
その圧力に耐えかねて
切り上げを実行するとなると、
その切り上げ率に相当するだけ
手持ち外貨が目減りすることになりますから、
先へ延ばすほど損害は大きくなります。
その間に過剰流動性によって
物価が上がった分だけ生活費は高くなるし、
それが賃上げを促せば、
生産コストに響いて輸出に不利になります。
早目に切り上げを断行して
物価や輸出コストに歯止めをかけるのと、
どちらがトクかという判断は難しいのですが、
一ぺん上昇した物価を元に戻すのは
もっと困難なので、
やがてコスト高で輸出にブレーキがかかることは
目に見えています。

それを避けるために、
国をあげて海外投資にふえた外貨を
注ぎ込むことになりますが、
それに失敗しないという保証はどこにもありません。
輸出のふえている間、賃上げにより
物価の上昇が避けられないとすれば、
その予防措置として
輸出にブレーキをかける必要が
どこかで必ず生じてきます。
それに最も効果があるのは
平価の切り上げですから、
諸外国の不平不満をなだめるためにも
人民元の切り上げは避けて通れないことは明らかです。
でもそれがいつになるかについて、
私もはっきりと断言することはできません。


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