第1796回
同じ条件を備えておればどこの国の株でも

では円と人民元と
どちらが強い通貨なのでしょうか。
中国はまだ発展途上国で、
賃金も安いし、不良債権や失業も多いし、
日本よりかなり遅れていることも事実です。
日本人はつい中国を貧乏国と思いがちですが、
どちらの政府が貧乏かということになったら
疑いもなく日本政府です。
700兆円以上にも及ぶ借金を抱えているし、
赤字財政で借金は増える一方です。
中国の場合は土地が全部国有ですから
高速道路をつくるのにも
大してお金がかからないし
不良債権の肩代わりをしようとすれば、
駄目になった企業を払い下げれば
すぐにも片がついてしまいます。

それでも中国政府は
人民元の切り上げを
頑なに拒否し続けていますから、
なかなか切り上げになりません。
弱い通貨である米ドルにしがみついたまま
離れようとしませんので、
ドルが弱体化すると
それについて人民元も弱い方に動くし、
逆に日本円が一足先に強い方に動いてしまいます。
すると、日本との貿易でも
もっと有利な立場になるし、
アメリカやヨーロッパとの貿易でも優位に立ちます。
それに味を占めて
ますます安い人民元に
固執し続けることになりますが、
それはエネルギーを貯め込んでいるようなものですから、
爆発する時の勢いは大へんなものになることは
先ず間違いありません。
国際収支や通貨事情に応じて
為替の位置が変わるよりも
エネルギーの蓄積に一路突進しているところですから、
円が強い通貨だとしたら
強い通貨からもっと強くなる通貨に投資するには
またとないグッド・タイミングだと私は見ています。

簡単な話、日本で素材産業を中心に
景気が戻っていると言っても、
前期に比べて利益が倍増する企業はほとんどありません。
それが中国では倍どころか、
3倍、5倍という上場企業も珍しくないのですから、
増収増益のスピードもスケールでも雲泥の差があります。
それが強い通貨に拍車をかけるとすれば、
経済が強い分だけ通貨も
急速に強い方向に動くと見てよいでしょう。
ですから日本株がいいか、中国株がいいかと
比較対照する必要はありません。
同じ条件を備えた株でさえあれば
どちらでもいいのです。


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