第1834回
ホンダもトヨタも中国に進出しているけれど

私が日本の自動車ブームを意識して、
昭和30年代の前半に眞っ先に買った自動車株は
トヨタ自動車でしたが、
その頃はまだどの自動車会社が
日本を背負って立つ自動車会社になるか
誰にも見当がつきませんでした。

日産とプリンスが
トヨタとしのぎを削っていましたが、
そこへバイクのホンダが殴り込みをかけて
大きな話題になりました。
ホンダはスポーツカーから先に手がけるというので、
私は本田宗一郎さんに、
「まだ嫁ももらっていない若者に
 2号さんをすすめるのですか」
と冗談を言ったことがあります。
あの頃はまだ海の物とも
山の物ともわかりませんでしたが、
石油ショックのあと、
バイクの工場進出に続いて、
ホンダがオハイオ州に
自動車の工場をつくったのを見て、
私はホンダの時代が来ると予感したことがあります。
どうしてかというと、
自動車は世界を相手にする商売の一つであり、
ホンダが一番早く
そのことに気づいていると
見てとることができたからです。
その頃、本田技研の株価は700円台でした。

一番遅れて出て行ったのはトヨタで、
中国進出にしても
同じ体質が物を言っています。
大事をとる三河武士の体質と言ってもよいし、
国際政治オンチの田舎サムライと言っても
間違いないでしょうが、
結果から見ると、
ホンダとトヨタが日本の自動車業界の双璧
ということになってきました。
そのどちらも中国に進出していますが、
ホンダの方が電光石火の早さで、
トヨタがどん尻からついて行っているのを見ても、
体質の違いは争えないことがわかります。

しかし、中国の場合は
海外技術と海外資本なしに
自動車産業の発展は考えられないので、
フォルクスワーゲンからはじまって、
プジョーやフォード、キャデラックに至るまで
全世界の自動車メーカーがひしめきあっているので、
はたしてどのメーカーが先陣を切るのか
全く予想ができません。
一番スケールの大きい東風汽車、上海汽車、
北汽福田汽車、一汽轎車は
いずれもA株ですから、
いまのところ私たちの手の届かないところにあります。


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