第1849回
カンボジア土産はホテル設計のアイデア

私はいま成都で
三つ星の庶民的なビジネスホテルを建てるべく
プランをすすめているところで、
その目で見ると、
アンコール・ワットの
メリディアン・ホテルのプランが
とても役に立ちました。
ほとんどお金がかかっていないのに、
貧乏臭く見えないばかりでなく、
むしろ気のきいた超モダンなホテルにすら見えます。

壁の絵や彫刻は
すべて土地の壁画や仏像を再現したものだし、
ロビーの天井からぶらさがっているシャンデリアは
クリスタル・ガラスではなくて、
布で巻いた土地の灯りを大きくしたものです。
また朝食をとるレストランは
特別な仕掛けはないのですが、
広い畑と椰子の並木のある庭に向いているのと、
セルフサービスの料理台の置き方が
どこに坐っても無理のない位置にあるので、
とてもいい気分で朝食がとれるのです。

また個室の中もバスルームの取り分とか
照明に神経が使われているので、
安上がりな割には安っぽい印象はあたえません。
そういうと結構づくめにきこえてしまいますが、
室内においてあったベッドに早変わりするソファは
奥が深すぎて、
西洋人の体格でも坐り心地が悪く、
坐る人の立場は全く考慮されておりません。
こういうのをデザイナの犠牲にされた家具
と言うのでしょうか。

もし私が自分でホテルを建てる立場にいなかったら、
恐らく泊り客の立場だけで
この新しいホテルを見るだけに終ったと思います。
たまたま限られた予算で、
如何にして完璧なビジネスホテルをつくるかが
念頭を離れなかったので、
工事費と首っぴきの観察をしたのですが
おかげでとても勉強させられました。
ビジネスホテルと言っても、
諸葛亮孔明の古跡のある成都のことですから、
実際は観光客が
半分以上を占めることになるでしょう。
そうした人たちの期待にこたえるためにも、
成都の雰囲気を
肌で感じてもらう配慮が必要なのです。
これがアンコール・ワット観光の
私の最大の手土産でした。


←前回記事へ 2005年4月2日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ